最適なサイズのiPad、最適な価格のiPad:
アップルが新型iPad miniを出すねらい
2019年03月19日 16時00分更新
●ミドルクラスを作った
今回の刷新はiPadに「ミドルクラス」を創出した、という印象を受けます。最上位モデルのPro、廉価版の第6世代iPad(こちらは2018年モデルが据え置き)、そしてその中間のminiとAirという位置づけに見えています。
そう考えみると、今回のiPad miniは、アップルとしてはどちらにも答えを出しているような、答えていないような、とにかくビジネス市場でニーズがあるミドルクラスのiPadの拡充、という実直な方向性だったと見ることができるのです。
キーボードもペンシルも使いたいという人はiPad Airを選ぶべきですし、手帳的にiPadを持ち歩きたいという人にはiPad miniはぴったりでしょう。少しでも持ち運ぶ前提であれば、セルラーモデルにしておけば、気が向いたときに格安データSIMを使って便利さを倍増させることができます。
アップルはすでにiPadも他の製品とともに、四半期ごとの販売台数を公表しなくなりました。ただ、アップルとしてはミドルクラスを廉価版に次ぐボリュームゾーンにしたいと考えているでしょうし、平均販売価格も500ドル前後に保ちたいと見ているのではないでしょうか。3月末で2019年第2四半期が終わってしまいますので、新しいiPad展開の真価が問われるのは2019年第3四半期に持ち越されることになります。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

この連載の記事
-
第321回
トピックス
10万円前後のMacBook その存在は“ワクワク”か、“退屈”か -
第320回
トピックス
アップル「iPad Pro(M5)」、もはや“Mac代わり”になり得る存在に -
第319回
トピックス
ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは -
第318回
iPhone
アップル「iPhone」「iPad」最も注目すべき4つの新機能 #WWDC25 -
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 - この連載の一覧へ











