IDC Japanは2月19日、国内の携帯電話およびスマートフォン端末の2018年第4四半期(10~12月)、および2018年通年(1月~12月)の出荷台数を発表した。
iPhone XRは市場を代替できなかった
国内市場の携帯電話の合計出荷台数は、前年同期比10.2%減の999.2万台となった。減少の要因は、アップルのiPhone出荷が前年同期比18.8%減の504.7万台に落ち込んだことが挙げられるという。
この落ち込みは、iPhone Xの後継機種が2018年第3四半期に発売されたことにくわえ、消費者の関心が高かったiPhone 8の出荷が一段落したが、新機種のiPhone XRが市場を完全には代替できなかったことなどが要因と考えられるとのこと。
一方で、Google Pixel 3やXperia XZ3、AQUOS Zeroといったハイエンド機種の発売が相次いだAndroid陣営も483.9万台の出荷となり、前年同期比0.2%減と伸び悩んだ。
スマートフォンの出荷台数は前年同期比10.6%減の988.6万台となった。従来型携帯電話の出荷の急激な減少は2017年から継続する傾向にあるという。
2018年の国内スマホ市場は停滞
2018年通年の携帯電話出荷台数は前年比でほぼ同水準、0.4%増の3432.6万台となった。アップルの出荷台数は前年比0.8%減ながらもほぼ同水準を維持。これは2018年第3四半期までiPhone 8シリーズの出荷が好調だったことが大きいという。シャープはAQUOS senseシリーズが大ヒットモデルとなったことにより、2位を維持した。サムスンの4位入りには、docomo withモデルとして好評だったGalaxy Feelシリーズが貢献したとみられるという。
スマートフォンの出荷台数は前年比0.7%増の3376.7万台となった。2015年以来国内スマートフォン市場は成長を維持してきたが、2018年はいったん停滞したと言えるとのこと。
IDC Japanシニアマーケットアナリストの菅原啓氏は、「通例、アップルの新製品の大量出荷がある第4四半期は年間を通じての出荷がピークとなる時期だが、本四半期は前年同期比でマイナス成長となった。『端末と契約の分離』政策の今後の進展を見据えた場合、一括購入価格10万円を超える高額端末に対しては消費者の購買意欲が後退する懸念もあり、世界と比べるとややハイエンドに偏重してきた日本のスマートフォン市場が質的・量的にどのように変化していくのか注目される」と述べている。