このページの本文へ

荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第599回

CP+を前に35mmフルサイズミラーレス一眼を猫と一緒におさらい

2019年02月20日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

フルサイズミラーレスの先駆者
ソニーのニューモデルに期待!

 冒頭写真がZだったのでニコンの話から始めちゃったけど、ニコンとキヤノンが参入する前は、ソニーのαシリーズがフルサイズミラーレス一眼市場で孤軍奮闘していた。というかフルサイズミラーレス一眼市場は事実上ソニーのαしかなかったわけで(厳密にいえばライカも出していたけど、約100万円するし)、α7の話を忘れてはいけない。

 ソニーは他社に先駆けて2013年に35mmフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼を発売したこのジャンルの先駆者。

 2018年初頭に3代目のα7IIIを投入。先駆者のメリットでレンズもそれなりに揃っているし、ユーザー数も多い。観光地などへ行くとα7を持つ人が如実に増えている。α7は初代からずっとデザインを大きく変えないでいたおかげで、一目で「あ、あの人α7使ってる」とわかる。大事なことである。

 α7IIIの1枚目はうちのキジトラ猫「かふか」。かふかは段ボールが超好きで、宅配便が届くたびに、その空き箱に入る。箱が小さかろうが大きかろうがとりあえず入るのである。そんな1枚。

 85mm F1.8の単焦点レンズを使い、目にピントを合わせて撮影。こういう距離感で前後を大きくぼかした写真を撮りたいときは35mmフルサイズの大きなセンサーはありがたい。

うちのもう1匹の猫「かふか」は段ボールが好き。段ボールっぽさを出しつつ顔がしっかり写るよう撮ってみた。こうしてみると丸顔ですな。2018年4月 ソニー α7 III

 もう1枚α7 IIIで。自動販売機の上で猫が2匹くつろいでいたのである。ちょっと高い位置なので、背面モニターを手前に倒して下から見えるようにし、腕を上に伸ばして猫を撮ろうとしたら、チャトラのハチワレの方がびっくりしちゃって、木に登って待避しようとしているの図。後ろの木に登りかけてる猫にピントを合わせて撮影。

自販機の上なら誰にも見つからないだろうとくつろいでるところを発見してしまって申し訳ない、と思ってしまった1枚。2018年4月 ソニー α7 III

 α7 IIIは比較的低価格で買いやすく、コンパクトで、なかなかのヒットとなっている。α7 IIIの上位機種がα7R III。Rが付いたモデルは画素数が多い高画質モデルで、α7の場合はα7Rの方がファインダーや背面モニタも高精細で全体のレベルが高くなっている。だから写真好きにはα7R IIIの方が人気だ。こちらは2017年11月と一足早い発売。

 可動式背面モニタには上下に動く「チルト式」と、いったん開いて回転させる「バリアングル式」があるが、ニコンとソニーはチルト式。個人的にはチルト式の方が好み。ワンアクションでさっとモニタを開いてローアングルでの撮影ができるから。

 こういう写真をさっと撮れるのである。とあるお寺のとあるお堂の上に猫がいたのだが、目があうとトンと飛び降り、濡れ縁の下に入ったのである。とっさにしゃがんで中を見ると、普段覗き込んだりはしない縁の下を歩く猫の後ろ姿がなかなか魅力的で、思わずシャッターを押したのがこちら。

この写真、お気に入りの1枚。縁の下に猫がよく似合う。こういう瞬間をさっと撮れるのがチルト式モニタの良さ。2018年1月 ソニー α7R III

 もう1枚は別のお堂の濡れ縁で日向ぼっこをしていた猫。近づいても逃げないので正面からアップで捉えさせてもらった。といっても、わたしはお堂の外にいたので、立った位置でファインダーを覗いてちょうど猫の顔がいい感じに捉えられたのである。

口元からちろっと見えている犬歯がかわいいキジトラ。ぴしっとした表情から柔らかくぼけていく感じがよい。レンズは大人気の24-105mmF4。2018年1月 ソニー α7R III

 35mmフルサイズセンサーで猫にぐぐっと寄って撮ると、その瞳にピンポイントでピントを合わせるのが難しい。ちょっと油断すると鼻先にピントがきたりしちゃう。

 ソニーは今年春のアップデートで「瞳AF」の動物対応がなされるという。対象はα7III、α7R III、α9の3モデル。アップデートがきたらぜひこの連載でも挑戦したいので乞うご期待である。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン