飛び出すカメラは
変態スマホになるか主流になるか!?
スマートフォンはいまやカメラの代わりとしても使われています。スマートフォンユーザーで、写真撮影をしない人はほとんどいないでしょう。しかし、ディスプレー上部のフロントカメラはせっかくの表示エリアを占有してしまいます。各社はポップアップ式カメラ、本体スライド式、両画面化などでフロントカメラをなくした「完全全画面ディスプレー」を実現しようと躍起になっています。
また背面のカメラも、使わないときに指先でレンズ面に触れてしまうこともあります。レンズの数が増えれば増えるほど汚れる確率も高くなり、いざ写真を撮ろうとしたらぼやけた写真になってしまった、なんて経験をした人も多いでしょう。
ドイツのフラウンホーファー研究機構は、そんなスマートフォンのカメラ問題を解決するカメラモジュールを開発しています。CES 2019で同財団が展示していたのは本体の横から飛び出す収納式のカメラモジュールです。
このモジュールは厚さ3.5ミリと薄く、スマートフォンの本体にすっぽりと収まります。このモジュールには4つのカメラセンサーがあり、集めた画像はミラーを使って合成して取り込まれます。これにより薄型化に成功しているのです。なお、画質は2000万画素相当。レンズの向きは表側、裏側どちらでもOK。小型化をうまく進めれば前後両方のカメラを搭載することもできるそうです。
スマホのデザインがガラっと変わる!?
スマートフォン本体から指先でプッシュするだけでカメラモジュールが出てくるようになれば、カメラがまったく見えないスマートフォンを開発できるでしょう。つまり、今までにないデザインのスマートフォンを登場する可能があるのです。
また、本体の側面にカメラを取り付けることができれば、普通の手帳型ケースを取り付けられるというメリットもあります。たとえば、OPPOのFIND Xは本体上部が上下するギミックでカメラを隠していますが、本体ケースは上部が開口した特殊なデザインのものになってしまいます。上部側から落として床にぶつけてしまったときなど、カメラ部分が破損してしまうかもしれません。
もちろん、このモジュールを普通のカメラ同様本体に埋め込むことも可能です。しかしカメラが幅を取ってしまうため、最近のスマートフォンのデザインにはやや向かないかもしれません。
フラウンホーファー研究機構はさまざまなIT技術を開発しており、このカメラモジュールもどこかの企業がこの技術のライセンスを受けたうえで製品化し、スマートフォンに搭載することになります。毎月のように新しいアイデアを搭載した製品を開発している中国メーカーの中から、この技術を取り入れるところが出てくるかもしれません。
飛び出すカメラモジュールを生産している日本電産はモジュールの量産化を決めており、2019年は「使うときだけフロントカメラが飛び出る」スマートフォンが各社から登場しそうです。元祖飛び出すカメラを製品化したVivoも2月中に後継モデルを発表予定です。ディスプレーのノッチ廃止の動きと同調するように、ポップアップ式カメラの搭載は2019年のトレンドになるかもしれません。
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