クラフトジンの先駆け「シップスミス」
シップスミスは、イギリスで実に200年ぶりに認可されたジンの蒸留所で作られている。それがクラフトジンの先駆けと言われている所以だ。ジンはイギリスとオランダが伝統的な産地で、その中でもイギリスで製造されているロンドンドライジンは世界の主流となっている。
シップスミスは銅製の蒸留器を使い、伝統的な製法で作られたロンドンドライジンである。「ワンショット製法」と呼ばれる一度きりの蒸留で、骨格のはっきりとした味わいになるほか、蒸留中盤のもっともよい部分だけを瓶詰した「ハートカット」も特徴。軸となる10種のボタニカルを綿密に組み合わせ、力強く複雑で香り高い味わいを表現したとうたう。
飲み口は華やかで香り豊かな味わい
さっそく、シップスミスを味わってみた。まずはロンドン ドライジンから。ストレートで飲むとジュニパーベリーの風味が強く感じられ、シャープな口当たりだが、そのあとに柑橘系を中心としたボタニカルの甘さを感じられた。
会場ではシップスミスを使ったジントニックも試飲できたが、華やかで香りが豊かな個性が活きている。ジンが苦手な人でもおいしく飲めるのではないかと感じたほど。
一方、シップスミス VJOPは「Very Juniper Over Proof」の名の通り、ロンドンドライジン」の3倍のジュニパーベリーが使われていることが強く感じられる口当たりだった。アルコール度数が57度と高い分、フィニッシュまで力強い風味が残るが、その中にもほのかにシトラスの風味が鼻を抜け、さわやかさも併せもつ味わいである。
飲みやすさではロンドン ドライジンだが、よりジンを深く味わいたいなら「VJOP」も試してみる価値はある。
記者も実はジンはあまり得意ではなく、これまで積極的に飲む機会はなかった。しかし、シップスミスはとても飲みやすい印象を受けた。ジンが得意でなかったという人も、この機会に飲んでみることをおすすめしたいジンだ。