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ESS製Quad DAC搭載の注目ゲーミングヘッドセット「ROG Delta」実機をチェック!

2019年01月24日 11時00分更新

文● ジサトラショータ

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 12月7日に販売開始となったASUSのゲーミングヘッドセット「ROG Delta」。世界的に評価が高く、数多くのDAPやスマートフォンなどに採用されているESS製のDACチップを搭載しているのが特徴で、ゲームでの利用はもちろん、音楽鑑賞も兼用できるヘッドフォンが欲しいというユーザーにはうってつけの製品だろう。Type-Cコネクターによる接続も可能なため、同社のゲーミングスマホ「ROG Phone」などとあわせて使うのも魅力的だ。

 製品サンプルをお借りできたので、さっそく製品の特長をチェックしていこう。

Quad DACで音質にも妥協なし

「ROG Delta」。実売価格1万8000円前後

 ASUSのゲーマー向けヘッドセットといえば、昨年いくつかの製品がリリースされた「ROG Strix Fusion」シリーズを思い浮かべる人も多いかと思うが、独自のASUS EssenceドライバーとESS製のDACを採用し、RGB LEDによるライティングコントロールに対応するなど、「ROG Delta」も基本的なコンセプトは似通っている。

 とはいえ、ROG DeltaはESS 9218 Quad DACを搭載する世界初のゲーミングヘッドセットであり(従来までのROG Strix FusionはESS 9018 DACを採用)、実売価格は1万8000円前後。初出時の価格が2万円を超えていた「ROG Strix Fusion 700」や「ROG Strix Fusion Wireless」よりも安価な一方で、そのぶんBluetoothなどのワイヤレス接続には対応しておらず、その点では差別化されていると言えるだろう。

コネクターにはUSB Type-Cが採用されている

Type-Aへの変換コネクターも付属。ケーブル長をすこし伸ばせる

 もうひとつ、ROG Strix Fusionシリーズと異なる点として、コネクターにUSB Type-Cが採用されている点が挙げられる。昨年販売されたASUSのゲーミングスマートフォン「ROG Phone」との組み合わせを想定しているようだが、近年はType-Cコネクターを採用する機器が増加しており、付属のUSB-C to USB 2.0(Type-A)変換アダプターを利用することも可能なため、基本的にはあらゆるデバイスで使えると言っていい。ただし、Type-Cコネクターのないスマートフォンで利用したいなら別途変換アダプターを購入する必要がある。変換アダプターのほとんどは大きめでスマホ利用では邪魔になりやすいので、そこまでして使うべきかどうかは購入前にしっかり検討するべきだろう。

D字型のイヤーカップにRGB LEDのラインが映える

スイッチよるボリュームのアップ/ダウンとLEDのオン/オフが可能

マイクは取り外し式。ミュート時は先端のLEDが点滅する

 本体の外観はD字型のイヤーカップと外周を囲うLEDのラインが特徴的で、ブームマイクは折り畳みではなく着脱式を採用。マイクの指向性は単一で、先端部分にあるLEDの状態でマイクオン/ミュートの状態を確認できる。加えて、左イヤーカップの後部にはLEDとボリュームコントロール用の物理ボタン/スイッチを備えており、ゲーム中のちょっとした調整にも便利だ。ROG Strix Fusionシリーズのようなタッチによるジェスチャー機能はないが、ゲームを中心に利用するのであればこれで十分だろう。

イヤークッションの内側にもROGロゴ

パッケージにはメッシュタイプのクッションがもう1セット付属する

 イヤーカップのLED部分は、ROGブランドの製品らしくRGBライティング調整機能も備えている。「フェードイン/フェードアウト」や「音楽に合わせて点滅」といった6つのプリセット発光パターンのほか、同社の他のデバイスとLEDカラー・パターンを同期できる「Aura Sync」にも対応。パターンやカラーの変更は「AURA」ユーティリティーから調整可能だ。

イヤーバンドは多段階に伸長する。イヤーカップがD字タイプということもあり、楕円形のヘッドフォンに慣れていると装着感に戸惑うかもしれない

 D字タイプのイヤーカップを採用していることもあり、装着感はやや独特な印象を受けた。側圧はきつくも緩くもないが、ややつくりが大きめなので、頭が小さい人は多少だぶつく可能性もある。音質に関しては、極めてノイズ感の少ないクリアーな音像が特徴だ。これは、DAC回路4基を並列に配置してノイズを大きく低減する「ESS 9218」を採用した恩恵によるところが大きいだろう。ノイジーさがないため低ボリュームでも微細な音が聞き取りやすく、FPSタイトルなどのプレイでもメリットがあるのは嬉しい。

独自のASUS Essenceドライバーを搭載するのは従来通り。定評あるESSのDACを搭載し、ノイズ感がないクリアーな音が特徴と言える

 ゲーミングヘッドセットでは、臨場感を増すために低音が極端にブーストされている場合があるが、本製品は比較的調整にクセがないためフラットに音を聞きやすく、加えて音楽鑑賞の際にジャンルを選ぶこともない。“ゲーミングヘッドセット”と聞くと「ゲーム向けの調整で音質にはあまり期待出来ないのでは?」と思う人もいるかもしれないが、この製品に限って言えば非常に健闘していると言っていい。個人的には、2万円以下の音楽鑑賞用ヘッドフォンとして使ってもまったく問題のないクオリティーだと思う。

 先に述べた通り、実売価格は1万8000円前後。現状、昨年発売されたROG Strix Fusionシリーズは価格が落ち着いてきており、Deltaと同等、もしくはより安価となっているため、価格だけを考えればどちらを購入すべきか迷うという人もいるかと思う。製品のクオリティーに関しては最新のROG Deltaを選ぶのがベターとは思うが、ワイヤレス接続機能があるかどうかは購入時の大きな分岐点なので、それを求めるのであれば「ROG Strix Fusion 700」や「ROG Strix Fusion Wireless」も選択肢に入ってくるだろう。どちらにせよ、ひと昔前のゲーミングヘッドセットに慣れているような人だと、かなりインパクトがある音が聴けるはずなので、ぜひ一度試してみることをすすめたい。

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