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業界人の《ことば》から 第325回

業界のAmazon目指す、アルヒは住宅ローン市場で1位になれるか

2019年01月15日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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「AIやRPAは人を無職にはしない」

 その時点では、次のようなサービスが可能になる。家探し前クイック事前審査で3500万円の融資限度額が決定した場合、AIスピーカーに「新宿区と中野区で、3500万円の物件」と問いかけると、その件数を返答し、さらに「駅から徒歩5分以内」、「駐車場あり」、「2LDKの間取り」などと条件を絞り込み、ある程度絞りこんだ情報を画面に詳細に表示。そこから内見の申し込みをしたり、住宅ローンの申し込み手続きまで可能になる。

 「アルヒの立場から見れば、本業は住宅ローンの実行。不動産業者からは広告費用を取らなくても情報を掲載できればいい。そこが不動産情報サービス事業者とは異なる点。さらに、AIとRPAを使うことで、ペーパーレス、全自動化、借入可能額から始まる新たな購入プロセスを提供できる」とする。

 また、2018年12月27日からは住宅ローンの進捗プロセスを見える化する「ARUHI navi」を開始。事前審査や本申込、契約面談予約、契約面談完了、融資実行など、住宅ローンの申し込みから融資実行までの進捗状況をスマホなどに表示する。

 グループメッセージ機能を使い、不動産事業者や司法書士などの住宅ローンの融資実行に関わる関係者間のやり取りを同時に確認できるため、連絡の手間を削減したり、作業が滞ることがないように進捗を確認できたりすることで、申し込みから融資実行までのスピードアップを実現できるという。

 浜田会長兼社長は「アイデアは次から次へと出てくる。それを実現するためにAIやロボットはもっと活用していきたい。他社にはできない圧倒的なスピードで、申し込みや融資実行が行なえるようにしたい。そして、個人や不動産会社から最も選ばれる企業を目指す」と語る。

 現在、アルヒの社員数は約300人。「AIやRPAで、置き換えられる仕事が増えるのは確かだが、これは人がやる仕事がなくなるのではなく、人がやらなくてはならない仕事を人がやることになる。人がやる仕事はまだまだたくさんあり、AIやRPAは人を無職にはしない」と断言する。

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