働き方改革が継続して叫ばれている。時短で残業をなくせ——そう上司に言われることも少なくないが、売上や作業量を減らすことはできないから苦しいのだ。無理難題を押しつけられているような気もするが、そこは自己防衛でなんとかするしかない。
結局、働き方改革は自分で行なうしかない。日々の作業を少しずつ効率化することで、トータルでは大きな時間短縮ができる。5分の時短を5つ行なえば、25分になる。そんな工夫を重ねれば、1時間程度時短するのも実は難しくない。
そんな自分働き方改革を自働(ジバラ)と呼んでいる。あなたはちゃんと自働できているだろうか? 今回は5項目をチェックしてみよう。回答欄では、それぞれの項目の改革方法も紹介していく。
あなたの自働(ジバラ)度チェック
5つの項目それぞれに自分ならどうするかを考えて点数を合計する。なお、高得点だからエラいわけでもないので、自分に正直にチェックしてほしい。
【1】仕事が山積していて、全部終わるか不安。どこから、手を付ける?
A:簡単なものから、すぐ手を付ける
B:大変なものから、着手する
C:すぐ取りかからず、優先順位を落ち着いて考える
(A:5点、B:1点、C:0点)
【2】言いたいことは山のようにあるのに、いつもよく伝わらない。どうしたら改善できる?
A:紙に書いて、言いたいことを整理してみる。
B:言いたいことを、50文字以内にまとめる。
C:どうせ伝わらないなら、言わない方がまし、とあきらめる。
(A:3点、B:5点、C:3点)
【3】どうしても返信が必要なメールなのに、返信が来ない。さて、どうする?
A:読んだかどうか確認メールを入れる。
B:メールにひと言添えておき、電話する。
C:開封確認メールを送るから読んだことはわかるので、後はナリユキ。
(A:2点、B:5点、C:0点)
【4】どうしても〆切りにおくれがち。どうしたら期日を守れるようになる?
A:早めに着手して、終わらせるように努力を続ける。
B:そもそも、作業時間が見積もれていないのが欠点。そこから解決する。
C:〆切りの約束をあやふやにしておけば、無問題。
(A:1点、B:5点、C:0点)
【5】自分で出したダメアイデア。これ、どうしよう?
A:一度ダメならこれはダメ、と見切りを付けて振り返らない。
B:たまに思い出そうとするけど、もうでてこない。
C:せっかく絞り出したんだから記録して、見返せるようにしておく。
(A:0点、B:0点、C:5点)
あなたのジバラ度は?
25点 ジバラ度100%
なかなか立派なスコアだが、ちょっとやり過ぎて周りが付いてきていないと感じることはないだろうか? もちろん、ないなら無問題。とはいえ、ジバラの道は険しいのでもっと鍛錬して欲しい。
20〜24点 ジバラ度70%
あなたはとても仕事ができる人。だが、周囲や部下のジバラ度を上げるためにも、なぜそうするのか、頭の中をもう一度整理して欲しい。早速解説ページへ!
15〜19点 ジバラ度50%
可もなく不可もなくなあなた。普段は無難に仕事ができていても、働き方改革にはほど遠い。解説ページを熟読してもっと鍛錬を。
10〜14点 ジバラ度30%
自分ではしっかりと働いているつもりでも、時短に関してはまるでなってない。問題はそこに気付いていないので、空回りを重ねていることだ。
9点以下 ジバラ度0%
年齢に関係なく、あなたは時代遅れだと自覚して欲しい。最新の働き方を身につけないと、どんどん苦しくなっていくのだ。
解説編
【1】仕事が山積していて、全部終わるか不安。どこから、手を付ける?
A:簡単なものから、すぐ手を付ける
B:大変なものから、着手する
C:すぐ取りかからず、優先順位を落ち着いて考える
多忙を極めていると、時間のかかる作業(大変な仕事)と短い時間で終わる作業(簡単な仕事)がゴチャ混ぜになって降りかかってくる。Cの「すぐ取りかからない」のように時間的な余裕があるなら、そもそも困りをしないのだから論外。問題は大きな仕事と簡単な仕事のどちらから取りかかるか? 正解はAの「簡単なものから」だ。簡単な仕事を先にやっつけてしまえば、残りは大きな仕事1つになる。万一遅れそうになっても連絡する先は1つで済む。ところが、大きな仕事から始めて遅れそうになると、やるべきことが大量に降りかかり苦しくなる。さらに、遅れそうなときに連絡する先も複数になり始末に負えない。
大きな仕事を終えてから「あれ、他にやることなんだっけ?」と考えるのはムダの極地だ。
【2】言いたいことは山のようにあるのに、いつもよく伝わらない。どうしたら改善できる?
A:紙に書いて、言いたいことを整理してみる。
B:言いたいことを、50文字以内にまとめる。
C:どうせ伝わらないなら、言わない方がまし、とあきらめる。
Aの「紙に書いて整理する」は、悪い方法ではないのだが、実際にやってみると長くて書き切れないとか、何が言いたいかよくわからなくなることも。うまくまとまらないなら、何らかの工夫が必要だ。そこで推奨しているのがBの「50文字以内にまとめる」方法だ。うまくまとまらないなら、それは伝えようとしていることが多すぎるのだ。会議の時間を考えても、言いたいことを絞り込んで、50文字に絞り込めればうまく伝わる。
会議で苦労するより、その準備に時間を掛けるべきだ。実はCも悪くない。伝わらないとわかっているなら、その段階で「伝える」こと自体が間違っているので、言わない方がいい。
【3】どうしても返信が必要なメールなのに、返信が来ない。さて、どうする?
A:読んだかどうか確認メールを入れる。
B:メールにひと言添えておき、電話する。
C:開封確認メールを送るから読んだことはわかるので、後はナリユキ。
メールでうまくコミュニケーションするには、相手の立場に立って考える必要がある。Aの「確認メールを入れる」は、「すみません、見落としていました」などと、謝らせることになるのでイマイチ。相手にいやな思いをさせないのが、コミュニケーションの大前提だ。正解はBで、メールの文面に「万一不着ですといけませんので、明日の○時頃お電話いたします……」と書いておく。電話なら相手が謝るとしても、「ごめんなさい、見落としていました」と簡単に済むのでいやな気をさせない。Cの「開封確認メール」は、最近使う人がほとんどいない。失礼な印象を与えるのでNGだ。
【4】どうしても〆切りにおくれがち。どうしたら期日を守れるようになる?
A:早めに着手して、終わらせるように努力を続ける。
B:そもそも、作業時間が見積もれていないのが欠点。そこから解決する。
C:〆切りの約束をあやふやにしておけば、無問題。
ひんぱんに締め切りに遅れる人は、実は忙しさに関係なく遅れる。遅刻常習犯と同じようなタイプだ。だから、Aの「早めに着手」は、実は無意味で着手が早くてもダラダラやってしまうだけ。正解はBで常に作業時間を意識するしかない。掛かる時間を意識できれば、着手のタイミングも的確になり、また、最初からピッチを上げて作業できるようになる。Cは最悪で信頼を失うだけだ。
【5】自分で出したダメアイデア。これ、どうしよう?
A:一度ダメならこれはダメ、と見切りを付けて振り返らない。
B:たまに思い出そうとするけど、もうでてこない。
C:せっかく絞り出したんだから記録して、見返せるようにしておく。
そもそも、アイディアは大量に出しても採用されるのは1つ。多くが捨てることになるのだが、ゴミと判断したアイディアも、「ゴミであることが重要だ」と考えてはいかがだろう? 不要なものあるから、必要なものが生きてくる。人に提案する際も、不要なものを見せると、「この案も使い方を変えれば生きてくるかも?」という、新しい発想が生まれる。よって、AとBは失格。
ゴミアイディアも数週間後には別の用途で宝物に変わるかもしれない。捨ててしまう、もしくは記録しないと、そのアイディアはなかったことになる。これは時間を捨てたのと同じだ。正解はCで、発想のプロセスを追いかけるのにも役立つのだ。
さて、5項目のチェックは楽しんでいただけただろうか? 実はこの内容は「仕事がサクサク終わって早く帰れる 自働(ジバラ)大全」から、ごく一部を抜粋して再編集した。本書では、全60項目の設問を徹底的に詳しく解説している。あなたのしごとを画期的に効率化するヒントが必ず見つかるはず! ぜひご一読ください。
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著者:戸田 覚
定価:1,728円(本体1,600円+税)
発売日:2018年12月21日 判型:四六判 商品形態:単行本 ページ数:312 ISBN:9784049120301
書籍情報ページ
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