属性設定が可能な権限を持っておく必要がある
このとき、NTFS側でユーザーは属性設定の権利を持っていなければならない。自分のホームディレクトリ以下(C:¥Users¥ユーザーフォルダ)に対しては、属性設定の権利を持っているが、それ以外のフォルダーには、作成時には、フルアクセスの権利をもっていない。
ホームディレクトリ(ユーザープロファイル)以外の場所で属性設定を可能にするには、以下の手順に従う。ただしユーザーが管理者権限を持っている必要がある。以下の手順で対象ディレクトリ(フォルダー)に対して、自分のアクセス権を設定する。
1. エクスプローラーで対象フォルダーを選択して右クリックメニューからプロパティを選択する。
2. プロパティの「セキュリティ」タブを開き、編集ボタンを押す
3. アクセス許可ダイアローグで、追加ボタンを押す
4. ユーザーまたはグループの選択ダイアローグで自分のユーザー名を指定してOKで閉じる
5. アクセス許可ダイアローグで上のリストで自分自身を選択し、アクセス許可でフルコントロールのチェックボックスをオンにする
6. ダイアローグボックスをすべて閉じる
RS4までは、WSLのWin32相互運用性を使って、fsutil.exeを起動しなければならずケースセンシティビティの設定が面倒だったが、RS5からは、WSL内のコマンドでケースセンシティビティを制御できるようになった。
ただしRS4までのように、ディレクトリを作成したら勝手にケースセンシティビティがオンになるわけではないので注意が必要だ。しかし、ケースセンシティビティが有効になったディレクトリを一回作ってしまえば、サブフォルダー以下はすべてケースセンシティビティが継承されるため気にする必要もない。
逆にDrvFsのデフォルト動作は、Windows側と同じとなる。Linux側で困ることがあるとすれば、自動でファイル名を指定してファイルを作るコマンドだけだ。大抵の場合には、ユーザーがファイル名を指定してファイルを作るため、ファイルシステム側で大文字小文字を区別しなければならない場面はそうそう多くない。
またユーザーが手動で大文字小文字を区別してファイルを作成することはあまりないだろうし、特にWindowsユーザーならまずやることもなさそうだ。そういう意味で、今回の改良によりWSLとWin32側で1つのファイルを別々のコマンドで扱うといった作業はやりやすくなると思われる。

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