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英議会、データ流出問題でフェイスブック内部文書を押収

2018年11月27日 09時27分更新

文● Charlotte Jee

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オブザーバー(Observer)の報道によると、英国議会の委員会は、ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)のデータ流出スキャンダルに関する調査の一環として、伝家の宝刀である強制力を行使してフェイスブックの内部文書を押収した。

ことの経緯はこうだ。文化・メディア・スポーツ特別委員会のダミアン・コリンズ委員長は、強制権を行使して、米国のソフトウェア会社、シックス・フォー・スリー(Six4Three)の創業者であるテッド・クレイマーに対し、当該文書を公開するよう命令を出した。同委員会から派遣された保安要員がクレイマーの滞在するホテルを訪れ、同氏に2時間以内に文書を提出するよう求めた。しかし、時間内での提出が間に合わないと分かると、同氏は議会に護送され、その場で文書を手渡したのである。

文書には、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)など幹部らとの電子メールのやり取りなど、ケンブリッジ・アナリティカのスキャンダルへと繋がるきっかけとなったフェイスブックのデータやプライバシー管理についての詳細情報が含まれているとみられる。これにより、フェイスブックがユーザーデータの取り扱い方法に違反する前に同社が下した決定に関する情報が入手できるかもしれない。

今回の強制力行使の背景には、ザッカーバーグCEOが委員会での証言を(ビデオ中継でさえも)繰り返し拒絶し、委員会のメンバーを苛立たせてきたことがあるのは明白だ。8700万人のフェイスブックユーザーのプロフィールの流出が明らかになって以来、同社の株価が1000億ドル下落しているという事実は、少しは委員会メンバーたちの慰めになっていたかもしれない。

同委員会は11月27日に、デマ情報とデータのプライバシーに焦点を当てた聴聞会で、ザッカーバーグCEOの代わりに、フェイスブックのリチャード・アラン広報担当副社長を厳しく尋問する予定である。2005年まで英自由民主党の国会議員であったアラン副社長にとっては、まさに勝手知ったる場所であるが、タイミングがタイミングであるだけに活発な聴聞会となりそうである。

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