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石川温のPCスマホニュース解説 第13回

スマートグラスでデータを見ながら観戦できる:

KDDIがプロ野球「AR観戦」に挑むワケ

2018年10月08日 09時00分更新

文● 石川温

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●選手の動きはほぼ遅延なし

 ただ、KDDIでは、6月に沖縄セルラースタジアムにおいて、5Gの基地局を設置し、5G対応のタブレットに向けて、バッターの映像を自由な角度から視聴できるという実証実験を実施。5G通信の超低遅延という利点を活かし、実際の選手の動きからほぼ遅延することなく、タブレットに映像を配信することができていた。

  札幌と沖縄の通信環境の違いを見ると、5Gがいかに超低遅延で、多くのユーザーがいても、安定してデータを送信できるポテンシャルの高さがあるかがわかった。スタジアムで同時に情報を配信しようとすると5Gは不可欠というわけだ。

 スマートグラスによる新しいスポーツ観戦スタイルは、そもそもスマートグラスで表示できる視野角がまだ狭く、ユーザーが不満を感じてしまうところを克服する必要がありそうだ。チップセットの処理能力、バッテリー寿命も課題だろう。

 KDDI・ライフデザイン事業企画本部、繁田光平ビジネス統括部長は「自分は学生時代に野球をやっていたこともあり、野球観戦時は次の球種を気にしながら観ている。一方、観戦している人の中には、お気に入りのビールの売り子さんが近づいてきたら教えてほしいと思っている人もいる。さまざまなユーザーに向け、スマートグラスで表示する情報を出し分けられるのが将来的な理想だ」と語る。

KDDI・ライフデザイン事業企画本部 繁田光平ビジネス統括部長

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