ツクモの「N1586J-710/T」をチェック、スタンダードノート並みの筐体でゲームが快適
ゲーミングの魅力満載、Max-QのGTX 1070で120Hzの薄型15.6型ノートPC
2018年09月28日 11時00分更新
なにも聞かされずにツクモの「N1586J-710/T」を見たとしたら、大きなディスプレーを搭載したスリムなノートパソコンだ、という感想があるくらいだろう。しかし、「実はG-GEARシリーズのゲーミングノートパソコンだよ」といわれたらどうだろうか。思わず二度見したうえ、何かの冗談だと考えてしまうに違いない。
CPUとGPUは性能が高くなれば高くなるほど、発熱も大きくなっていく。そのため、一般的なゲーミングノートといえば、しっかりと冷やすために大型のクーラーが搭載され、N1586J-710/Tの2倍近くは厚みがあるというのがある意味常識だ。約18.6mmという薄さはそれだけインパクトが強く、ゲーミングノートパソコンとはかけ離れた印象があるのだ。
さらに驚くのが、この薄さでCPUに6コア/12スレッドのCore i7-8750H(2.2GHz)、GPUにGeForce GTX 1070を搭載している点。Core i3とエントリークラスのGPUを組み合わせた製品であれば薄型でもまだ納得できるが、それが、よりによってゲーミングノートとしては上のクラスのスペックとなれば、耳を疑いたくなるのも当然だ。
電力や発熱、性能のバランスから最適な速度で動かすNVIDIAの「Max-Qデザイン」
どうやってこの薄さでハイスペックを実現しているのかといえば、その答えはNVIDIAの「Max-Qデザイン」にある。
通常のゲーミングノートの場合、CPUとGPUを最大性能で動かせるだけの電力を供給し、そこから出る熱を冷やすため高性能なクーラーを搭載している。その結果、馬鹿でかいACアダプターが必要なうえ、掃除機のように大きな音の出る高回転ファン、そして大型クーラーを搭載するためのぶ厚い本体になってしまう場合が多い。
CPUもGPUも基本的に動作クロックが高くなるほど高速になるが、高い動作クロックでの安定動作には、より多くの電力が必要となる。オーバークロックを試したことがある人ならわかると思うが、高いクロックで安定動作させるには電圧も高くしなくてはならないからだ。
これをわかりやすく説明したのが下の図だ。あるポイントまでは消費電力に対して性能が伸びていくが、そこを超えると伸びが悪くなり、電力効率が悪化してしまう。最大性能を発揮させるというのは、消費電力面から見ればかなり無駄の多い設定となる。
裏を返せば、常時最大性能が発揮できなくてもいいのであれば、そのぶん消費電力が大きく低下する。消費電力の低下は発熱の抑制へと直結するため、より小さなクーラーや低回転のファンを採用できるようになる。
Max-Qはこの性能と消費電力、そして発熱のバランスをしっかりと見極め、十分な性能を出せるだけの冷却性能を確保しながら、効率が高くなるよう最適化したものだ。この絶妙ともいえるチューニングを施すことで、薄型でもハイスペックなCPUとGPUを搭載したゲーミングノートを実現している。もちろん、同スペックのゲーミングノートと比べれば最大性能で見劣りすることもあるだろうが、発熱、騒音、消費電力、サイズといったノートで重視されるポイントにおいては、すべての面で有利になる。
では、実際にどのくらいの性能が出るものなのだろうか。N1586J-710/Tの実力をチェックしていこう。
試用機の主なスペック | |
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機種名 | G-GEAR note N1586Jシリーズ N1586J-710/T |
CPU | Core i7-8750H(2.2GHz) |
グラフィックス | GeForce GTX 1070(Max-Qデザイン) |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD(M.2接続/NVMe対応) |
ディスプレー | 15.6型(1920×1080ドット)、ノングレア |
内蔵ドライブ | ー |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 5.0 |
インターフェース | USB 3.0端子×3、USB 3.1(Type-C)端子×2、Mini DisplayPort×2、HDMI出力端子、有線LAN端子、ヘッドフォン出力端子、マイク入力端子、SDカードスロット |
サイズ/重量 | およそ幅380×奥行252×高さ18.6mm/約1.98kg |
OS | Windows 10 Home(64bit) |