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ツクモの「N1586J-710/T」をチェック、スタンダードノート並みの筐体でゲームが快適

ゲーミングの魅力満載、Max-QのGTX 1070で120Hzの薄型15.6型ノートPC

2018年09月28日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

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定番ベンチマークソフトを使ってCPUの性能からチェック

 まずはCPUの性能からみていこう。Core i7-8750Hは第8世代(Coffee Lake)のCPUで、ノート向けながらも6コア/12スレッドという、デスクトップ向けに比肩するコア数を備えている。さすがに動作クロックもデスクトップ向けとは異なり、ベースクロックこそ2.2GHzと控えめだが、ターボブースト時の最大クロックは4.1GHzとかなり上昇し、シングルスレッド時の性能もしっかりと引き出せるようになっているのが特徴だ。

ゲーミングノートでの採用が多いCore i7-8750Hは、6コア/12スレッドの高性能CPU。ただし、TDP45Wとノート向けの中では発熱が大きめだ

 使用したソフトは、「CINEBENCH R15」。CGのレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるベンチマークソフトで、とくにマルチスレッド時の最大性能をチェックするのによく使われる定番のものだ。シングルスレッド時の性能も測れるので、コア当たりの性能を知りたいといった用途でも便利だ。

「CINEBENCH R15」のスコアは、1115cb。Core i7-8750H搭載機としては標準的なスコアだ

 スコアは独自のcbという単位で表示されるが、この値が高いほど性能も高いことになる。実際のベンチ結果は1115cbと高く、これは一般的なCore i7-8750H搭載機とほぼ同じ。Max-Qだからといって、スコアが見劣りしなかったのはうれしいところだ。

 ちなみに、デスクトップ向けの第8世代ハイエンドCPUとなるCore i7-8700Kでのスコアは1440cb前後。第7世代のCore i7-7700Kが970cb前後というのを考えると、ノートパソコンとしてはどれだけ破格の性能かというのがわかるだろう。

ストレージはNVMe対応の高速M.2 SSD搭載!最大3000MB/秒オーバーの実力

 続いてストレージ性能をチェック。容量は256GBのためよくある普通のスペックに思えてしまうが、実はM.2規格のSSDで、しかもNVMeに対応しているのが大きなポイント。SATA接続のSSDがインターフェースの制限から600MB/秒を越えられないのに対し、NVMe対応のSSDはさらに高速なアクセスを可能としてくれる。

 ベンチマークソフトは1秒間あたりのアクセス速度を調べてくれる「CrystalDiskMark」を使用。シーケンシャルアクセスだけでなく、データサイズを小さくしたランダムアクセスもテストできる定番ソフトだ。

「CrystalDiskMark」でテストしてみると、シーケンシャルリードで3000MB/秒オーバーという格の違いをみせつけてくれた

 結果はシーケンシャルリードで3000MB/秒オーバー、ライトでも1200MB/秒以上という圧倒的な速さとなった。ランダム性能も高めなだけに、OSやソフトの起動、データの読み込み、ファイルの保存など、すべての動作が快適になってくれるだろう。パソコンは高性能になるほどストレージがボトルネックとなりやすいが、そういった不安を払拭してくれるだけの説得力がある。

もっとも気になる3D性能をベンチマークソフトでチェック

 ゲーミングノートの本領発揮となる3D性能もみていこう。GeForce GTX 1070搭載のため高性能が期待されるが、それ以上にMax-Qによる性能、騒音、発熱への影響が気になるところだ。

 まずは軽量なゲームベンチマークとして定番の「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(最高品質、1920×1080、フルスクリーン)と、重たい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION Benchmark」(標準品質、1920×1080、フルスクリーン)を試してみた。

FF14ベンチは、7000以上のスコアで評価が「非常に快適」となる。この数値を余裕で上回っており、軽量ゲームなら高画質で快適に遊べるのがわかる

FF15ベンチは、12000以上のスコアで「非常に快適」、9000以上で「とても快適」、6000以上で「快適」となる。スコアは7000を越えており、重たいゲームも十分プレーできる実力がある

 FF14ベンチが余裕なのは予想通り。FF15ベンチの方は重たいベンチマークなのもあって画質を「標準品質」にしたが、快適に遊べるスコアとなった。なお、「高品質」で試してみたところスコアは5583まで下落したが、評価は「やや快適」。シーンによっては重たくなる可能性もあるが、十分遊べる範囲といえそうだ。

 Max-Qの影響を調べたかったのだが、残念ながら比較できるちょうどいいデータが手元になかったため、同じGeForce GTX 1070を搭載し、CPUにCore i7-7700HQ(4コア8スレッド、ベースクロック2.8GHz、ターボブースト時最大3.8GHz)を採用したゲーミングノートと比べてみよう。

 このゲーミングノートのスコアはFF14ベンチで13267、FF15ベンチで8761となっており、CPU性能では上回っているはずのN1586J-710/Tよりも、どちらのスコアも上回っていた。とくにFF15ベンチではその差が大きく、負荷が高いものだとMax-Qの影響が大きくなりやすいと考えられる。とはいえ、評価はどちらも「快適」という点で変わりはない。多少性能の犠牲はあっても、ゲームをプレーするうえではあまり影響がない範囲ともいえるだろう。

 なお、性能がややおさえられるといっても熱の方はかなりの高さになるため、その熱を冷やすためファンの回転数はどうしても上がりがちだ。Max-Qといえどベンチマークソフト実行中は騒音が大きくなっていた。とはいえ、一般的なゲーミングノートと比べればずいぶんとマシで、スピーカーからの音でも十分ゲームが遊べると感じられる程度だった。ひどいものではヘッドフォンを着けていてもまだ聞こえるような掃除機レベルの騒音となるだけに、この差は大きいだろう。

 注意したいのが、テスト中は触るのもためらわれるほどキーボードのすぐ上の部分が熱くなっていたこと。非接触の温度計で測ってみると、温度は52度以上。パソコンとしては十分耐えられる温度だが、生身の人間の方が耐えられない温度だ。キーボードそのものは最大でも40度を少し超える程度だったので問題ないが、この熱くなる部分は、不意に触れてしまわないよう注意が必要だろう。

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