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車とスマホがつながるSDLの世界 第2回

SDL対応カーナビの実機を見てきた

スマホアプリをカーナビで動かすと、こんな世界が待っている!

2018年10月31日 11時00分更新

文● 清水学 編集●村山剛史/アスキー編集部

提供: SDLコンソーシアム

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SDL規格に沿って作られたアプリが、カーナビと連携して動作する様子を目撃!

ながら運転を防止しつつ、スマホを利用する冴えた方法

 テクノロジーの進化は生活・仕事を豊かにするが、たまに新たなトラブルを生んでしまうこともある。携帯電話の登場は、家や会社といった場所に縛られずどこでも会話ができるようになった代わりに、「ながら」利用というトラブルを新たに発生させた。特にスマートフォンでは会話による注意力の低下のみならず、画面に夢中になってしまい、よそ見運転による事故を引き起こす恐れも指摘されている。

 もちろん、そういった行為は道路交通法違反であり、事故を起こしたドライバーも認識しているはずだ。にもかかわらず、スマートフォンに気を取られてしまうということは、裏を返せば「運転中のスマートフォン利用」には少なからぬニーズがあるとも言えるだろう。では、そのニーズを安全に実現する手段を作ればいいのでは――ということで現在進められているのが、まさに「運転中の“安全な”スマートフォン利用」を実現する規格、その名もSmart Device Link(SDL)だ。

Smart Device Link(SDL)とは、スマホアプリをカーナビその他の車載器で安全利用するための規格を指す

 このSDLは、スマートフォンをカーナビに接続し、アプリのアウトプットをカーナビや車載スピーカー/マイクなどに任せるための規格。SDLコンソーシアムに参加し、その開発キットによって開発されたアプリだけが対応できるので、明らかに車の運転に支障をきたすようなアプリは除外される。

 今回、SDLに対応したカーナビの上で、スマートフォンアプリが動いている様子を見学できたのでそのファーストインプレッションをお届けしよう。

新感覚! LINEをカーナビで使ってみよう

 SDLは通常モードとプロジェクションモードの2種類の表示モードがある。北米でいち早く販売開始されたSDL対応のカーナビは通常モードのみの搭載だが、今回はプロジェクションモードのプロトタイプも拝見できた。今後販売される実機は両対応が主流となる予定だ。

SDLには2つの表示方法が存在する。アプリをカーナビなどの画面でも使いやすいようなテンプレートに沿って改変表示する「通常モード」、そして地図アプリをはじめとする“基本的に画面を占有”してしまうアプリ用に備えられている「プロジェクションモード」だ

 当日は実機が2台用意されており、それぞれにiOSとAndroidのスマートフォンがUSBで接続されていた。まずはiOSのほうから見てみよう。こちらではLINE Clovaが通常モードで動いている。通常モードは、あらかじめ用意されたテンプレートにアプリを組み込む形となり、カーナビでの表示はメニュータイプのシンプルな形となる。

机上でカーナビ部分のみが稼動しているという、ASCII.jp読者にはたまらないシチュエーション

カーナビの画面上ではUIが変わり、使用頻度が高そうな操作から選ぶかたちとなる

 操作は音声入力が可能で、例えば「ドライブに合う曲をかけて」と声をかければ、LINE MUSICからドライブに合う楽曲を選曲して流してくれる。他にも、運転中に役立ちそうな天気やニュース、ラジオといった機能を音声入力で利用できる。ニュースであれば気になるスポーツの結果や、株価や為替の市況だけを抜き出して読み上げさせたり、これから向かう先の天候を聞いたりと、必要な情報だけをピンポイントで確認できる。このあたりはAIアシスタントとしてのLINE Clovaの強みだ。

 もちろんLINEで送られてきたメッセージを読み上げたり、音声入力でテキスト変換し、メッセージをこちらから送ることも可能だ。さらに、すでにモーターショーではデモを行なっているが、メールの送受信もできるようになるとのこと。これが確実に使えるようになれば、車での移動中に一仕事終わらせてそのまま帰宅……なんて芸当も可能だろう。働き方改革で時間短縮が叫ばれるなか、効率化を推進するツールの1つとしても期待できる。

LINE Clovaのスキルも基本的に利用可能

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