約40年に渡ってストレージ関連製品を世に送り出してきたシーゲイトが、10月1日に満を持してBarraCudaブランド初の2.5インチSSD「Seagate BarraCuda SSD」を日本国内向けに発表した。今回リリースされたのは250GB、500GB、1TB、2TBの4モデル。フォームファクターは2.5インチ、インターフェースはSATA 3.0(SATA 6Gb/s)、NANDフラッシュは3D NAND(TLC)を採用している。
今回シーゲイトよりBarraCuda SSDの512GBモデル「BarraCuda SSD STGS500401」のサンプル(海外版)を借用したので、ベンチマークも含めた詳細レビューをお届けしよう。なお、市販品は外装など一部の仕様が異なる可能性がある。
システムドライブとしても活用できる最大560MB/秒の速度を実現
BarraCuda SSDは2.5インチサイズのSSD。インターフェースは汎用性の高いSATA 3.0を採用し、厚みは7mmとコンパクト。デスクトップPCだけでなく、ノートPC、そして据え置きゲーム機などのストレージとしても活用可能だ。
容量は前述の通り250GB、500GB、1TB、2TBと4ラインナップが用意されているので、予算に応じてシステムドライブなら250GB、500GB、データドライブなら1TB、2TBと適切なモデルを選択できる。
公称速度はシーケンシャルリードが560MB/秒、シーケンシャルライトが540MB/秒(500GBモデルは535MB/秒、250GBモデルは530MB/秒)、ランダムリードとランダムライトが9万IOPS。システムドライブはもちろんのこと、ゲームインストール用、RAWデータや4K動画の保存・編集用ドライブなどさまざまな用途に活用できるアクセススピードを備えている。
「Seagate BarraCuda SSD」のスペック | ||||
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型番 | STGS250401 | STGS500401 | STGS1000401 | STGS2000401 |
容量 | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
フォームファクター | 2.5インチ×7mm | |||
NAND | 3D NAND(TLC) | |||
コントローラー | Seagate STXZA01EA3B7 | |||
インターフェース | SATA 3.0(SATA 6Gb/s) | |||
シーケンシャルリード | 560MB/秒 | |||
シーケンシャルライト | 530MB/秒 | 535MB/秒 | 540MB/秒 | |
ランダムリード | 9万IOPS | |||
ランダムライト | 9万IOPS | |||
MTBF(平均故障間隔) | 180万時間 | |||
TBW(総書き込み容量) | 120TBW | 249TBW | 485TBW | 1067TBW |
特殊機能 | TRIM、S.M.A.R.T、ハロゲン・フリー、RoHS準拠 | |||
保証期間 | 5年(限定保証) |
シーゲイト製BarraCudaブランドSSDなので信頼性は◎
編集部でサンプル版を分解して確認したところ、BarraCuda SSDにはNANDフラッシュに東芝製64層TLCチップ、キャッシュにNanyaTechnology製「NT5CC128M16IP-D1」が搭載されていた。NANDフラッシュに信頼の東芝製が採用されているのは、耐久性、パフォーマンスには期待が持てる。
TBW(合計書き込みバイト数)は250GB版が120TBW、500GB版が249TBW、1TB版が485TBW、2TB版が1067TBW、MTBF(平均故障間隔)は180万時間を実現。また5年間の製品保証が設定されており、万が一の故障の際も交換、または修理対応をシーゲイトから受けられる。
なお、今回BarraCuda SSDの連続アクセス時の温度をサーモグラフィーカメラで計測してみたが、表面は34.1℃、裏面は36.1℃(端子部を除く)と低めだった。集積度に余裕のある2.5インチSSDだけに、発熱が問題になることが多いM.2 SSDよりも、耐久性という点では安心して運用できそうだ。
CドライブにM.2 SSD「960 EVO M.2 MZ-V6E500B/IT」、Dドライブに3.5インチHDD「WD60EFRX」、Lドライブに「BarraCuda SSD STGS500401」を装着した環境で「CrystalDiskInfo 7.7.0」を実行してみた。フォームファクターが異なるので単純に比較できる指標ではないが、スタンバイ時の発熱は「BarraCuda SSD STGS500401」が最も低く、利用時の安心感は高い。
気になるパフォーマンスを定番ベンチマークでチェック!
さて最後に最も気になるパフォーマンスをチェックしてみよう。今回は「BarraCuda SSD STGS500401」を下記の構成のWindows 10搭載デスクトップPCのLドライブとして接続して、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.1」と「AS SSD Benchmark 2.0.6694.23026」を実施してみた。
ベンチマークに使用したPCのスペック | ||||
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CPU | Intel「Core i7-8086K」(6コア12スレッド、4.00~5.00GHz、TDP95W) | |||
マザーボード | ASUS「ROG MAXIMUS X FORMULA」(Intel Z370) | |||
メモリー | Corsair「CMK32GX4M2B3000C15」(DDR4-3000、16GB×2) | |||
ビデオカード | NVIDIA GeForce GTX 1080(GDDRX5X 8GB) | |||
SSD(メイン) | サムスン「960 EVO M.2 MZ-V6E500B/IT」(M.2、500GB、NVMe PCIe) | |||
SSD | Seagate「BarraCuda SSD STGS500401」(2.5インチ、500GB、SATA 3.0) | |||
電源ユニット | Seasonic「SS-860XP2」(ATX、860W、80PLUS Platinum) | |||
OS | Windows 10 Pro 64bit |
まずは「CrystalDiskMark 6.0.1」の結果から。今回テストサイズを「1GiB」と「16GiB」の2パターンで計測したが、「1GiB」時のシーケンシャルリードは563.9MB/秒、シーケンシャルライトが534.9MB/秒というスコアを記録した。今回借用した「BarraCuda SSD STGS500401」の公称値はシーケンシャルリードが560MB/秒、シーケンシャルライトが535MB/秒なので、ほぼスペック通りのパフォーマンスを発揮している。
なお、テストサイズを「16GiB」に増やすとキャッシュメモリーの効きが悪くなるが、極端にアクセススピードが低下することがなかった点も特筆に値する。
「AS SSD Benchmark 2.0.6694.23026」では、ストレージのIOPS性能(1秒間に処理できるI/Oアクセスの数)を見てみよう。「BarraCuda SSD STGS500401」の公称値はランダムリード、ランダムライトともに9万IOPSだが、AS SSD Benchmarkのランダムリード(4K-64Thrd)は10万1186 IOPS、ランダムライト(4K-64Thrd)は8万7440 IOPSを記録している。
PCの使用感に直結するランダムリード、ランダムライト性能がほぼスペック通りのパフォーマンスを発揮していることは高く評価できる。
性能、使いやすさ、安心感のすべてを求める欲張りなニーズにも応えるSSD
ハードディスク製品で代名詞的存在になるほど人気のある「BarraCuda」ブランド初のSSDだけに、スペック通りのパフォーマンス、接続するだけで使えるセットアップのしやすさ、そしてシーゲイトの5年間製品保証と三拍子が揃っており、性能、使いやすさ、安心感のすべてを求める欲張りなニーズにも応えるSSDに仕上がっている。
デスクトップPC自作、ノートPCのストレージ増量、据え置きゲーム機のストレージ高速化などの際に魅力的な選択肢と言える。
Image from Amazon.co.jp |
【Amazon.co.jp 限定】Seagate SSD 内蔵2.5インチ 500GB (7mm / 3D TLC/SATA 6Gb/s / 5年保証) 正規代理店品 STGS500401 |
※記事内のチップ表記について製品版にて変更が確認されたため、一部表記を更新させていただきました。
■関連サイト
Seagete公式サイト
Seagate BarraCuda SSD製品ページ
(提供: Seagate)