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北海道の地震から停電復旧まで 千歳ではジンギスカンで過ごす

2018年09月11日 15時00分更新

文● 四本淑三

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ローカルチェーン健闘中(9月6日午後 地震発生から9時間)

 各種連絡は午前中に終わった。というか送信できないものはもう諦めた。歯医者の予約はなかったことになったし、信号が動かないのでヤマトの諸君もやって来ない。仕方がないので、給湯器に貯まったお湯が冷めないうちにシャワーを浴びて、街の様子を見にいくことにした。

 もともとなんにもない街だが、この日はさらに閑散としていた。停電でレジが使えないから、ほとんどの店舗は休み。街に出たところで買い物もできない。

 ただし、例によってセイコーマートは営業していた。このコンビニチェーンは「道民のインフラ」と言われるが、私は神社仏閣みたいな何か、あるいは邪悪な資本の流入を防ぐ結界のようなものと思っている。

 実はセブン-イレブンも頑張って営業しているのだが、若干数が少ないおかげで目立たない。おまけにホットシェフ(セイコーマートの店内調理システム)のありがたみで、必要以上に差がついて見える。道外で「セコマ」「セイコマ」と言ってもなんだそれという話だが、NHKが北海道のローカルニュースでセイコーマートを取り上げる際には「大手コンビニエンスストアの」という前置きが入るくらい、ほかはマイナーだ。

 そんなセイコーマートではあっても、働いているのは神や仏ではなく人だから、できないときはやらない。別のセイコーマートの店舗には「13時で店閉めるし、次いつ開くかわからん」という張り紙がしてあった。

 同じローカルチェーンでは、ドラッグストアもがんばっていた。北海道ではコンビニと大型スーパーの間を埋める役割をドラッグストアが果たしていて、物資調達拠点としてのウエイトは道外で想像するより高い。そうした道内2大ドラッグストアのうち、サツドラは初日全滅。一方のツルハドラッグは時限営業していたようで、入り口には人が並んでいた。

 車にガソリンを入れるのに1時間ほど並んだ以外に、この日に見た人の列はこれだけ。普段なら人が並んでいる人気のラーメン店も、並ばず入れる状態。コープさっぽろやイオンも、屋外で限られた食料品や日用品を販売していたが、パニックになった人が我先に、という様子は見られなかった。ほかに目立ったのは、学校が休みになって自転車で走り回る子供達くらいだった。

地震が起きた事実を示す止まった時計

 市街地にもこれといった被害はなく、むしろ前日の台風で飛ばされた看板や倒木の方が、よほど目についた。JR千歳駅はドアが開いていても、中は真っ暗。運行再開のめども立たず、改札は閉鎖中。駅前のベンチには、途方に暮れた外国人観光客が大勢座っていた。旅行者は移動もできなければ食べるものもなく、ヘタをすると泊まるところもない。今回の震災でのダメージは、おそらく地元住民より彼らの方が大きい。

 この街に地震があったことを示すのは、駅前の止まった時計だった。ただ時計が示す時刻は、4回目の余震があった頃だ(本震は3時8分頃)。このあたりの停電は、うちの近所と違ってかなり後になって起きたのだろうか。

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