フォートナイトもPUBGも設定次第で60fps以上でプレー可能
13万円台でフォートナイトが快適、熱対策バッチリな15.6型ゲーミングノートPC
2018年09月12日 09時00分更新
日本エイサーのゲーミング向けブランドというと「Predator」が著名だが、同社はPredatorよりエントリー向けにシフトしたゲーミング向けブランドとして「Acer Nitro」を立ち上げた。Acer Nitroシリーズは、Predatorほど尖った性能はないものの、購入しやすい価格帯で幅広い層に受け入れられやすいモデルが揃っている。
今回紹介する15.6型ノートパソコンの「Acer Nitro 5」(型番:AN515-52-A58H、以下Nitro 5)も、Acer Nitroに属する製品で、ゲーミング向けモデルながらも、実売で13万円台とかなりリーズナブルな価格を実現している。では、このNitro 5でどの程度快適にゲームがプレーできるのだろうか、テストをとおして詳しくみていきたい。
黒色に赤色が映えるスタイリッシュなデザイン
Core i5-8300HとGeForce GTX 1050 Tiという組み合わせ
まずは、Nitro 5のスペックについて紹介しておこう。CPUには第8世代Coreプロセッサーで4コア/8スレッドのCore i5-8300H(2.3GHz)を採用。GPUにはGeForce GTX 1050 Tiを搭載しており、エントリー向けとしては十分なスペックを誇っている。CPUとGPUにはそれぞれ冷却ファンを装着。加えて「Acer CoolBoostテクノロジ」と呼ばれる機能でこれらのファンを制御すれば、日本エイサーいわく最大11度の温度低下が実現するとのことだ。
さらに、冷却の肝となってくるのが付属アプリケーションの「Acer NitroSense」。Acer NitroSenseは、CPUやGPUの温度や負荷、ファンの回転速度をリアルタイムで監視できるほか、ファン回転数のカスタマイズも可能だ。なお、右上の「CoolBoost」と表記されたスライドバーを操作すれば、Acer CoolBoostテクノロジが利用できる。
15.6型のディスプレーは、反射の少ないノングレアタイプで、視野角が広いIPS方式を採用。具体的な視野角についてエイサーは仕様を公開していないのだが、実機を触ってみたところ、170度以上はあるように見受けられた。解像度は1920×1080ドット。なお、ブルーライト低減機能である「BluelightShield」を備えている点はありがたい。
キーボードは、テンキーを含む日本語107キータイプを搭載。キーピッチは実測で19mm、キーストロークは1.6mmと、若干浅めながらも打鍵感は上々だ。さらに、ゲームで移動キーになる場合が多い[W][A][S][D]キーを赤く縁どって目立つようにしているほか、バックライトも赤色で統一。黒い筐体に赤が映えるデザインは、なかなかインパクトがある。
底面の両サイドにスレテオスピーカーを搭載。オーディオアプリケーションとして「Dolby Audio」が付属し、バーチャルサラウンドをサポートしている。さらに、有線LANにはRealtek製のギガビットコントローラを搭載。一方、無線LANには、Intelのコントローラチップ「Wireless-AC 9560」を採用することで、IEEE802.11 a/b/g/n/acに対応する。なお、そのほかのスペックは表のとおり。
試用機の主なスペック | |
---|---|
CPU | Core i5-8300H(定格クロック2.3GHz、最大クロック4.0Hz、4C8T、共有L3キャッシュ容量8MB) |
グラフィックス | GeForce GTX 1050 Ti(4GB GDDR5) |
チップセット | Intel HM370チップセット |
メモリー | DDR4-2666 4GB×2 |
ストレージ | 128GB(M.2、SKhynix「HFS128G39TND-N210A」、Serial ATA 6Gbps)、1TB HDD(WD Blue「WD10SPZX-21Z10T0」、Serial ATA 6Gbps) |
ディスプレー | 15.6型(1920×1080ドット)、ノングレア、IPS |
内蔵ドライブ | ー |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 5.0 |
サウンド | Realtek High Definition Audio |
インターフェース | USB 3.0端子、USB 3.1(Type-C)端子、USB 2.0端子×2、HDMI出力端子(HDCP対応)、有線LAN端子、ヘッドフォン/スピーカージャック、SDカードリーダー |
サイズ/重量 | およそ幅390.0×奥行266.0×高さ26.75mm/約2.7kg |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
PUBGで常時60fps越えを実現
フォートナイトでもフレームレートは上々
まずは、システム全体のパフォーマンスが測定できる「PCMark 10」(Version 1.1.1739)の結果から見ていこう。今回は、無償版の「Basic Edition」でも実行できる「PCMark 10」のテストグループを利用した。
すると、総合スコアは4717とまずまずの結果を残したが、詳細を見ていくとEssentialsのスコアの高さが光る。Essentialsは、アプリケーションの起動やウェブブラウジングなどをテストするグループだが、この結果からNitor 5は基本性能が高いといってよさそうだ。また、ビジネスアプリケーション性能を測るProductivityや、コンテンツ制作のパフォーマンスを見るDigital Content Creationのスコアも相応にして高く、ゲーム以外の用途でも十分な性能を期待できる。
続いて「3DMark」(Version 2.5.5029)では、1920×1080ドットでのテストとなるFire Strikeの結果が6810と、このクラスの製品としては良好なスコアを示した。DirectX 12のテストとなるTime Spyでは2505とスコアを落としているが、エントリー向けモデルとしてはまずまずといったところだ。
さて、PCMark 10と3DMark実行時の消費電力も確認しておきたい。今回は、「Watts up? Pro」を用いて、アイドル状態で30分放置した時点をアイドル時とし、各アプリケーション実行時における消費電力の最大値を、アイドル時ともどもグラフにまとめている。
すると、Nitro 5の消費電力は、PCMark 10実行時で123W、3DMark実行時でも134Wとかなり低い。アイドル時にいたっては15Wと、ノートらしく、消費電力はかなり抑えられている。なお、Nitro 5には3220mAhの4セルリチウムイオンバッテリーが内蔵されており、公称バッテリー駆動時間は約7時間だ。
さらに、「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」(以下、PUBG)のフレームレートも見てみよう。今回は、解像度をNitro 5の標準解像度である1920×1080ドットに固定し、低プリセットと中プリセットの2つにおいて、実際に1分間プレーした際の平均フレームレートと最小フレームレートを、「Fraps」(Version 3.5.99)で取得した。
すると、Nitor 5は中プリセットで平均フレームレートが60fpsを上回っているほか、最小フレームレートも60fpsを越えている点は立派。つまり、中プリセットを選択すれば、Nitro 5でもPUBGが快適に遊べるというわけだ。
続いて「フォートナイト」では、こちらも解像度を1920×1080ドットに固定したうえで、グラフィックスに関するオプションを中品質と高品質に設定。実際に1分間プレーし、その間の平均フレームレートと最小フレームレートをFrapsで計測している。
さすがに高品質では平均フレームレートが60fpsにわずかに届かなかったものの、中品質では平均フレームレートが90fps越えを実現。最小フレームレートも60fpsを大きく上回っており、中品質であれば十分満足がいくプレーができるのではないだろうか。
最後は、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の実行結果だ。今回は、解像度を1920×1080ドットに固定したうえで、グラフィックスの設定を「高品質(ノートPC)」、「最高品質」に変えてテストした。
スクウェア・エニックスの指標では、スコア7000以上で「非常に快適」とされているが、Nitro 5は最高品質でそれを満たす結果を残している。高品質(ノートPC)では、スコア1万越えを実現しており、ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーターはかなり快適に遊べそうだ。
高性能ながらも価格を抑えたNitro 5
高いコストパフォーマンスはかなり魅力的
以上のテスト結果から明らかなとおり、一部のゲームではグラフィックス関連の設定を抑える必要があるものの、Nitro 5でPUBGやFortnite、ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーターが快適に遊べるのは間違いない。ゲーミング向けノートパソコンというととても高価なイメージを持つ人も少なくないと思うが、コストパフォーマンスに優れたモデルを探しているのであれば、このNitro 5はオススメできる1台である。