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BALMUDA The Light:

バルミューダ高いデスクライトで原点回帰

2018年09月06日 19時30分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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ニッチこそバルミューダ

 バルミューダにとって照明は空調、調理に続く第3の製品シリーズ。バルミューダは2015年からキッチンツールを出しつづけていて、今年は前から出したいと言っていたコーヒーメーカーだろうなと思っていたので予想がはずれてしまった。

 ただ久々にバルミューダらしい製品が出たなという印象で少しうれしくなった。コーヒーメーカーじゃなくてよかったとも若干思う。

2015年からはキッチンツールばかり発表してきた

 バルミューダはベンチャーなので大手がやっていない領域にいかないといけない。そこで3万円の扇風機だとか2万5000円のトースターのように「誰が買うのそんなの」というような製品を作ってドカンと当てて「どうだ!」とやってきた。

 価格が安いと思われているもの、完全にコモディティ化してると思われているものを高度化して、ハイエンドとして売るというコンセプトがユニークだった。

 一方、トースターのあとに出した電気ケトルや炊飯器や電子レンジは大手がやっている領域に真正面からつっこんでいったのでインパクトがやや薄く感じられた。

 同じ理由で、せいぜい1万円台のデスクライトという領域に4万円という強気の製品を出してきたところにバルミューダの原点回帰を感じたのだった。実際同僚が「誰が買うの」と言っていたのでつかみはOKなのだと思う。

 (ちなみに掃除機のダイソン創業者ジェームズ・ダイソンの息子ジェイク・ダイソンはおなじように6万円ぐらいする高級デスクライトをつくっている。排熱機構にヒートパイプを使うというぶっとんだもので面白い)

人に必要とされるものを作る

 もう1つ原点回帰を感じさせる話も会場の説明員から聞いた。

 バルミューダはいまから10年前の2008年にエアライン(Airline)という8万円もする超高級デスクライトを出していた。

 しかしエアラインはヒットせず、金融危機も重なり、会社は危機的状況になった。扇風機グリーンファン(Green Fan)の大ヒットによって窮地を脱したのは2年後の2010年。寺尾社長は最新技術を注ぎ込んだエアラインを振り返って「人に必要とされるものを作らないといけない」と反省していたのだという。

 自分の子どもを見て必要と思ったものをつくったBALMUDA The Lightは、エアラインのリベンジにして原点回帰のようなものだったのではと思った。

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