このページの本文へ

前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第75回

携帯できるトレーニング商品、ストレッチロールS 自腹レビュー

2018年09月11日 12時00分更新

文● 前田知洋

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

今回紹介する「ストレッチロールS」

イノベーティブな感じの製品

 筆者の仕事はマジシャン。一般的にマジックはホワイトカラー、頭脳労働なイメージがあるかもしれませんが、ずっと肉体労働に近いです。さらに詳しく説明するなら、アイディアを考えたりする時間より、身体を動かしてお客さんの前で演技をしたり、稽古をする時間のほうがずっと長い仕事なんです。指先の疲れが腕や肩を緊張させ、身体のバランスを崩して腰痛になる…。そんな連鎖にならないように日々気をつけています。

  そんなわけで、マッサージから整体、武道の稽古やトレーニングなど、いろいろな身体のメンテナンスにお金と時間をつかってきました。

 最近買った、メンテナンス用の電化製品は、DOCTOR AIRの「ストレッチロールS」。使ってみてわかりましたが、ちょっとイノベーティブな感じのするトレーニンググッズです。この商品の原型になったであろうストレッチポールも筆者は愛用していますが、それを1/3ほどの長さに短くし、強烈なバイブレーション機能を搭載したのがこの製品です。

ストレッチロールSの詳しい使い方は製品に同梱されておらず、公式サイトで見る新しいスタイル

 どこがイノベーティブなのかというと、まず体重や筋肉の重みを利用して筋肉をほぐすところ。パワフルなバッテリー内蔵でコードの煩わしさにとらわれず、外でも使えるようになったところがあげられます。国内出張くらいなら小ぶりな旅行鞄に入り、持ち歩けそうなサイズ(15センチ×32センチ)です。

バッテリーの残量はLEDで4段階表示される

 さらに、マッサージ電化製品にありがちな、外観とサイズがそれほど目立たなくなり、部屋にあってもインテリアを邪魔しません。

注目される健康、美容などホームユースなデジタル市場

 市場における今年度の予想額、2484億円*と具体的な数字を挙げるより、ヨドバシなどの量販店の美容健康製品の売場の広さをご覧いただくと、その市場の熱さがわかります。(*2018年日経新聞調べ)

 iPhoneやApple Watchもそうですが、健康、美容などのホームユースなデジタル市場は、これからも注目を集めることでしょう。

 振動するポールは、類似した製品がいろいろあります。なかでも、このストレッチロールSを選んだのは、激しい振動による電子回路やバッテリーへの負担を推測したことから。特にリチウムバッテリーは不具合で発熱や発火の恐れもあります。そんな理由から、高価格帯ではあったものの、このタイプを選び、さらに販売店の5年の延長保証にも入るという念のいれよう…。小心者な自腹レビューですいません。

筋肉や骨格のことがわかっているとより効果的

 ストレッチロールSを実際に体験してみると、その効果がわかります。ヨドバシの店頭で試してみましたが、短時間で筋肉のコリや疲れがとれ、日々使うことで筆者は腰痛が緩和されています。製品サイトでは、効能について、あいまいな表現になっていますが、おそらく「治療や予防の効能効果を書けない」という、薬事法の規制によるものでしょう。このあたりは、ショッピングサイトなどのレビューのほうがユーザーそれぞれの使い方や、個別の感想が具体的に並んでいます。このように、ネットでのユーザーの口コミと相性が良いのは、健康、美容関連商品ならではかもしれません。

外箱もスタイリッシュです

 コラムの冒頭でも触れましたが、こうした製品のユーザー層は「健康やエクササイズに興味をもっている、または、詳しい人々」でしょう。もちろん、筆者もそのひとりです。フルコースで全身のコリをほぐしてくれる、プログラムされたマッサージチェアも便利ですが、ストレッチロールSは、筋肉や骨格について多少知っている人向けの製品でしょう。とはいっても、正しい全身のストレッチを自分でおこなえるくらいの知識や、自分の身体の特質をしっているだけで十分かもしれません。

 腰痛など、自分の症状にあった使い方をしてはじめて効果が発揮される製品です。

マンションやアパートでは使う時間帯を選ぶかも…

 筆者にとっては今年買った製品のベストスリーに入りそうですが、気がかりなところもあります。振動がパワフルなので床にかなりの音と振動が伝わります。筆者はヨガマットの上で使用していますが、それでもかなり響きます。マンションやアパートにお住いの方は、新たなストレスができないよう、夜間の使用は避けたりベッドや厚い布団の上での使用したほうがいいでしょう。

 他のマッサージ機器と比べると、短時間の使用が効果的。筆者の場合、ひとつの部位に1分ぐらいで使用しています。それ以上長くおこなうと皮膚にかゆみが出ることがあります。冒頭に画像を挙げましたが、公式サイトに使い方が画像入りで解説されているので、製品には簡単な説明書のみ同梱されています。

 蛇足かもしれませんが、使っていると振動や本体の熱でゴム製のラベルがはがれてくることがあります。実際、店舗でもラベルが剥がれかかっている製品が展示されていました。まぁ、性能とは関係のない箇所ですが、改善するとユーザーの満足度がさらにあがるかもしれません。

 これから、日本の人口の年齢構成も上がることで、ますます成熟する健康、美容市場。人々や社会を幸せにする製品がこれからも登場することを楽しみにしています。

僕よりも家にくる友人たちのほうが使用頻度が高いマッサージチェア

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

■関連サイト

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン