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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第7回

2018年第3四半期決算を読む:

アップル時価総額1兆ドル突破の理由と懸念

2018年08月07日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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2018年第3四半期決算を好感

 アップルは1兆ドル達成の2日前、米国時間7月31日に2018年第3四半期決算(4〜6月)を発表しました。この結果を好感して株が10%弱買われたことで時価総額1兆ドルに到達にこぎ着けました。

 売上高は532億6500万ドルで前年同期比17%増、純利益は115億ドル、1株あたりの利益は2.34ドルと、前年同期比40%増となりました。特に米国(20%成長)、中国(19%成長)、ロシア、中東、アフリカなど各市場で力強い成長を見せています。

 原動力となっているのは、売上高の約6割を占めるiPhoneです。iPhoneは4130万台を販売し、前年同期比1%増。しかし売上高は299億600万ドルで、前年同期比20%増となりました。からくりは平均販売価格の上昇にあり、前年同期に605.62ドルだった1台あたりの販売価格は、今回の決算では724.12ドルに上昇しています。999ドルからのiPhone X、実はエントリーモデルが50ドル値上げされたiPhone 8が好調だったことが要因でした。

 また、第2の収入源となったのはサービス部門。売上高95億4800万ドルで、前年同期比31%増という結果になりました。アップルによれば3億人のサブスクリプションサービス利用者を獲得しており、Apple Musicの5000万人をはじめとして、iCloudやアプリの定期利用者の獲得が、安定したサービス部門の売上につながっています。

 現在はiPhoneのユーザーがサービスを利用し、サービス部門に注目を集めていくことで、スマートフォン飽和時代に合わせた成長軸を変える最中にあります。しかしまだまだiPhoneの売上高は大きいため、魅力的な製品をユーザーが受け入れられる価格で販売する戦略を通じ、ハード、サービス両輪での成長を実現していこうとしています。

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