このページの本文へ

Windows Info 第134回

Windows Subsystem for LinuxのUbuntuはアップデートすべき?

2018年07月22日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Windows Subsystem for Linux(以下、WSL)では、LinuxディストリビューションをWSL環境内で実行するが、Ubuntuの新しいリリースであるUbuntu 18.04の配布が始まっている。今回は、これまで使われてきたUbuntu 16.04との違いなどを解説し、アップグレードすべきかどうかについて考える。

Ubuntuのリリースは原則、1年2回
長期サポート版は2年に1回

 Ubuntuは年に2回、4月と10月に新しいリリースを公開している。リリースには「通常版」と「LTS(Long Term Support)版」がある。通常版のリリースは半年の1回で、サポート期間はリリースしてから9ヵ月。原則、新しいリリースが出るたびに更新していくことを想定している。これに対して、LTS版は、2年に1回リリースされ、サポート期間は5年となっている。なお、通常版とLTS版のリリースは連続しており、リリースは、リリース年と月を組みあわせたものが区別される。16.04とは「2016年4月リリース」という意味になる。

 前回のLTS版が2016年4月のUbuntu 16.04 LTSであり、これがWSLに採用されている。なお、WSLでは、LTSのみを対象としている。WSL用のUbuntuには変更が加えられており、検証などを考えると半年サイクルは困難だからだろうと推察される。

 Ubuntuのリリースには、すべてコード名が付けられており、パッケージファイルなどではコード名が使われることがある。Ubuntu 16.04 LTSのコード名は「Xenial Xerus」だ。なお、単に「Xenial」という表記になることもある。同様に「Ubuntu 18.04 LTS」のコード名は「Bionic Beaver」で単に「Bionic」とも呼ばれる。

 またLTS版はリリース後に、一定期間ごとにアップデートを集めた「ポイントリリース」も用意される。16.04の場合、「16.04.01」(2016年7月)、「16.04.02」(2017年2月)、「16.04.03」(2017年8月)、「16.04.04」(2018年2月)があり、現在の最新版は「16.04.04」である。

WSL用のubuntuのリリース

 現在、WSL用のLinuxディストリビューションは、Microsoftストアから入手することになっている。現時点でMicrosoftストアあるUbuntuには、

Ubuntu
Ubuntu 16.04
Ubuntu 18.04

の3つがある。

原稿執筆時点では、Microsoftストアには、3つのUbuntuが登録されている

 しかし、実際のディストリビューションとしては、「Ubuntu 16.04」と「Ubuntu 18.04」の2つで、リリース番号の付かない「Ubuntu」は現時点では「Ubuntu 16.04」に対応している。ただし、7月末にポイントリリースである「Ubuntu 18.04.01」が登場した段階で、これは「Ubuntu 18.04」に切り替わる予定だ。

 UbuntuのLTSにおいても、Linux内からアップグレードが可能だが、LTSの場合、次のLTSリリースが出たあと最初のポイントリリースが登場した後でないと、アップグレードできないようになっている。

 これは、LTSといえども障害が発生する可能性が否定できないからだ。通常版でも最初のリリースでは、特定のハードウェアでエラーなどが発生し、配布が一時的に中止になることがある。Windows 10でいえば、半期チャンネルの配布が半期チャンネル(対象指定)の4ヵ月後からになっているのと同じ理屈である。Windows 10もUbuntuを参考にした可能性がある。

WSLでのUbuntuリリースを考える

 というわけで、WSLでUbuntuを使う場合、16.04がいいのか、18.04にすべきかという問題がある。また、すでにWSLを利用している場合、16.04から18.04へとアップグレードすべきかどうかという問題もある。

 結論から言うと、Ubuntu 16.04を選択するのが、現時点では妥当と思われる。1つには、現在インターネットなどにある多くのWSLに関する記事や文書は、Ubuntu 16.04をWSLで使った場合のものだ。このため、18.04をインストールあるいはアップグレードした場合、インターネット検索で得られるWSL関連の情報が適合しない可能性がある。

 もう1つは、Ubuntu 16.04は、2021年までサポートされているため、サポート対象外となる心配が当面はないことだ。Ubuntuのサポートでは、組み込んだパッケージの更新やセキュリティパッチなどが提供されるため、少なくとも16.04を2021年まで使い続けることができる。

 また、LTSのアップグレードは、Ubuntu内のコマンドで実行できるが、ダウングレードは、現行のLTSをアンインストールして古いLTSをインストールする必要があるという点に注意すべきだ。つまり、リリースをあげるのは簡単だが、戻すのは面倒なのである。

 16.04と18.04には、Linuxディストリビューションとして「同じ部分」と「違う部分」があり、利用したいアプリケーションや機能がどちらで動作するのかといった問題がある。しかし、Ubuntuで利用可能なパッケージを使う範囲では、個々のバージョンの違いが出ることはあっても、ほぼ同じプログラムが動作する(ただし、ディストリビューションとして廃止になる機能もある)。

 これらのことを考えると、現時点では16.04で使い始め、必要が生じた時点で18.04にアップグレードするという経路が無難と考えられる。もちろん問題がなければ、サポート終了の時期まで16.04を使い続けてもかまわない。「オレはなんでも新しい方じゃないと満足できない」というのであれば、18.04でWSLを使い始めることを止めるつもりはない。どっちがいいのかと聞かれたら、16.04が無難、ただそれだけである。

Ubuntuのメンテナンス方法

 ついでなので、Ubuntuを使う場合のインストールパッケージのアップデートやポイントリリースの導入、そしてLTSリリースの切り替え方法などについて簡単に説明しておく。

 まずは、日常的に行うインストールパッケージのアップデートだ。これには、apt-getコマンドをsudoコマンドと併用して利用する。具体的には、以下の2つのコマンドを実行する。

sudo apt-get update
sudo apt-get -y upgrade

インストールしたパッケージをアップデートするには、apt-getコマンドのupgradeサブコマンドを使う

 起動時にUbuntuが更新があった場合などにメッセージを表示することがあるので、適時実施する。

 次にポイントリリースの導入だが、以下のコマンドを使う。なお、この場合、すでに導入されているパッケージも同時にアップデートされることがある。というのはシステム側のライブラリなどが変更になると、それに応じてアプリケーション側もアップデートが必要になることがあるからだ。

 ポイントリリースは、その時点の最新パッケージを集めたものであり、Windowsでいえば「累積更新プログラム」に相当する。

sudo apt-get -y dist-upgrade

ポイントリリースを更新するには、apt-getのdist-upgradeサブコマンドを使う

 原理的には、「apt-get -y dist-upgrade」は、前述の「apt-get -y upgrade」と同等以上の効果があり、日常的なメンテナンスはサボっていても、最新のポイントリリースに変更し、インストールパッケージも最新版に更新される。

 なお、ポイントリリースのバージョンを知りたい場合には、

lsb_release -a

とする。Descriptionのところに表示されるのがポイントリリースのバージョン表示である。

ポイントリリースのバージョンを確認するには、lsb_releaseコマンドを使う

 さて、LTSのリリースを上げたいといった場合だが、過去には、lxrunコマンドが利用できたが、現在では、利用できなくなっている。このため、アップグレードには大きく2つの方法がある。1つは、Microsoftストアアプリケーションである「Ubuntu」をアンインストールして、Ubuntu 18.04を新規インストールする方法である。ただし、この方法では16.04で使っていた環境を引き継げない。環境を引き継ぐには、WSLでubuntuを起動し、

sudo do-release-upgrade

を実行する。

カテゴリートップへ

この連載の記事
1
Apple 2026 MacBook Air M5チップ搭載13インチノートブック:AIとApple Intelligence、13.6インチLiquid Retinaディスプレイ、16GBユニファイドメモリ、512GB SSDストレージ、12MPセンターフレームカメラ、Touch ID - シルバー
Apple 2026 MacBook Air M5チップ搭載13インチノートブック:AIとApple Intelligence、13.6インチLiquid Retinaディスプレイ、16GBユニファイドメモリ、512GB SSDストレージ、12MPセンターフレームカメラ、Touch ID - シルバー
¥177,333
2
Apple 2026 MacBook Neo A18 Proチップ搭載13インチノートブック:AIとApple Intelligenceのために設計、Liquid Retinaディスプレイ、8GBユニファイドメモリ、256GB SSDストレージ、1080p FaceTime HDカメラ - インディゴ
Apple 2026 MacBook Neo A18 Proチップ搭載13インチノートブック:AIとApple Intelligenceのために設計、Liquid Retinaディスプレイ、8GBユニファイドメモリ、256GB SSDストレージ、1080p FaceTime HDカメラ - インディゴ
¥95,768
3
Lenovo Chromebook クロームブック IdeaPad Flex 3i Gen8 12.2インチ インテル® プロセッサー N100搭載 メモリ4GB eMMC 64GB バッテリー駆動12.0時間 重量1.25kg アビスブルー 82XH001KJP
Lenovo Chromebook クロームブック IdeaPad Flex 3i Gen8 12.2インチ インテル® プロセッサー N100搭載 メモリ4GB eMMC 64GB バッテリー駆動12.0時間 重量1.25kg アビスブルー 82XH001KJP
¥39,000
4
【整備済み品】富士通 ノートパソコン LIFEBOOK U9310 13.3型FHD(1920x1080) 超軽薄 ノートPC/第10世代 Core i5-10310U@1.7GHz/ 8GB メモリ/高速ストレージ SSD/Webカメラ/WIFI/Type-C/HDMI/win11&MS Office 2019 搭載 ビジネス 在宅勤務向け パソコン (メモリ:8GB/SSD:256GB)
【整備済み品】富士通 ノートパソコン LIFEBOOK U9310 13.3型FHD(1920x1080) 超軽薄 ノートPC/第10世代 Core i5-10310U@1.7GHz/ 8GB メモリ/高速ストレージ SSD/Webカメラ/WIFI/Type-C/HDMI/win11&MS Office 2019 搭載 ビジネス 在宅勤務向け パソコン (メモリ:8GB/SSD:256GB)
¥36,970
5
【整備済み品】中古ノートパソコン 東芝Bシリーズ B55/B65 Windows11搭載 Core i5-6200U /メモリ8GB/SSD128GB/15.6インチ/Bluetooth/WIFI/HDMI/USB3.0/DVDドライブ/MS & Office2019/テンキー搭載/仕事用ノート (Bシリーズi5-6/メモリ8GB/SSD128GB)
【整備済み品】中古ノートパソコン 東芝Bシリーズ B55/B65 Windows11搭載 Core i5-6200U /メモリ8GB/SSD128GB/15.6インチ/Bluetooth/WIFI/HDMI/USB3.0/DVDドライブ/MS & Office2019/テンキー搭載/仕事用ノート (Bシリーズi5-6/メモリ8GB/SSD128GB)
¥15,990

Amazonのアソシエイトとして、ASCII.jpは適格販売により収入を得ています。

ASCII倶楽部

注目ニュース

  • 角川アスキー総合研究所

プレミアム実機レビュー

ピックアップ
1
KIOXIA(キオクシア) 旧東芝メモリ microSD 128GB UHS-I Class10 (最大読出速度100MB/s) Nintendo Switch動作確認済 国内サポート正規品 メーカー保証5年 KLMEA128G
KIOXIA(キオクシア) 旧東芝メモリ microSD 128GB UHS-I Class10 (最大読出速度100MB/s) Nintendo Switch動作確認済 国内サポート正規品 メーカー保証5年 KLMEA128G
¥1,980
2
Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル Anker絡まないケーブル 240W 結束バンド付き USB PD対応 シリコン素材採用 iPhone 17 / 16 / 15 / Galaxy iPad Pro MacBook Pro/Air 各種対応 (1.8m ミッドナイトブラック)
Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル Anker絡まないケーブル 240W 結束バンド付き USB PD対応 シリコン素材採用 iPhone 17 / 16 / 15 / Galaxy iPad Pro MacBook Pro/Air 各種対応 (1.8m ミッドナイトブラック)
¥1,890
3
Anker USB Type C ケーブル PowerLine USB-C & USB-A 3.0 ケーブル iPhone 17 / 16 / 15 /Xperia/Galaxy/LG/iPad Pro/MacBook その他 Android 等 USB-C機器対応 テレワーク リモート 在宅勤務 0.9m ホワイト
Anker USB Type C ケーブル PowerLine USB-C & USB-A 3.0 ケーブル iPhone 17 / 16 / 15 /Xperia/Galaxy/LG/iPad Pro/MacBook その他 Android 等 USB-C機器対応 テレワーク リモート 在宅勤務 0.9m ホワイト
¥740
4
UGREEN USB Type Cケーブル PD対応 100W/5A 超急速充電 USB C ナイロン編み 断線防止 iphone17/16/15シリーズ/iPad/MacBook Pro/Galaxy S24/Matebook/iPad/Xperia等USB-C各種対応(1m, ブラック)
UGREEN USB Type Cケーブル PD対応 100W/5A 超急速充電 USB C ナイロン編み 断線防止 iphone17/16/15シリーズ/iPad/MacBook Pro/Galaxy S24/Matebook/iPad/Xperia等USB-C各種対応(1m, ブラック)
¥743
5
Anker iPhone充電ケーブル PowerLine II ライトニングケーブル MFi認証 超高耐久 iPhone 14 / 14 Pro Max / 14 Plus / 13 / 13 Pro / 12 / 11 / X/XS/XR / 8 Plus 各種対応 (0.9m ホワイト)
Anker iPhone充電ケーブル PowerLine II ライトニングケーブル MFi認証 超高耐久 iPhone 14 / 14 Pro Max / 14 Plus / 13 / 13 Pro / 12 / 11 / X/XS/XR / 8 Plus 各種対応 (0.9m ホワイト)
¥990
6
KIOXIA(キオクシア)【日本製】USBフラッシュメモリ 32GB USB2.0 国内サポート正規品 KLU202A032GW
KIOXIA(キオクシア)【日本製】USBフラッシュメモリ 32GB USB2.0 国内サポート正規品 KLU202A032GW
¥980
7
KIOXIA(キオクシア)【日本製】SDカード 64GB SDXC UHS-I Class10 読出速度100MB/s 国内正規品 メーカー保証5年 KLNEA064G
KIOXIA(キオクシア)【日本製】SDカード 64GB SDXC UHS-I Class10 読出速度100MB/s 国内正規品 メーカー保証5年 KLNEA064G
¥1,180
8
エルパ(ELPA) 扉付タップラン 電源タップ 延長コード 125V 3m 3個口 ホワイト WBT-N3030B(W)
エルパ(ELPA) 扉付タップラン 電源タップ 延長コード 125V 3m 3個口 ホワイト WBT-N3030B(W)
¥652
9
キヤノン Canon 純正 インクカートリッジ BCI-381(BK/C/M/Y)+380 5色マルチパック BCI-381+380/5MP 長さ:5.3cm 幅:13.9cm 高さ:10.75cm
キヤノン Canon 純正 インクカートリッジ BCI-381(BK/C/M/Y)+380 5色マルチパック BCI-381+380/5MP 長さ:5.3cm 幅:13.9cm 高さ:10.75cm
¥4,918
10
エレコム 電源タップ 6個口 3m 雷ガード 個別スイッチ ほこりシャッター付 耐熱 PSE技術基準適合 ホワイト T-K6A-2630WH
エレコム 電源タップ 6個口 3m 雷ガード 個別スイッチ ほこりシャッター付 耐熱 PSE技術基準適合 ホワイト T-K6A-2630WH
¥1,899

Amazonのアソシエイトとして、ASCII.jpは適格販売により収入を得ています。

デジタル用語辞典

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン