装着中に耳の負担が少なく、耳をふさがずに外の音も聴こえるデュアルリスニングが最高に快適な「Xperia Ear Duo」。筆者もすっかりお気に入りで、いつも身につけているイヤフォンになりましたが、アシスタント機能を搭載していることもあって価格はややお高め。
そんなところに「音楽だけでも快適に聞けたらいいな」という要望に応えるオープンイヤーステレオヘッドセット「STH40D」が登場しました。Xperia Ear Duoは左右独立型のワイヤレスモデルですが、STH40Dは有線ケーブルでつなぐタイプで実売価格は7500円前後。Xperia Ear Duoと比較すると非常にリーズナブルです。
STH40Dは、一見「どうやって装着するの?」と一瞬首をかしげたくなる造形ですが、これこそが、耳の穴をふさがずに周囲の音が聞こえ、かつ音声が耳に届くデザインです。どこから音が出ているかというと、本体部分から伸びるパイプのような音導管が耳の穴の直前に配置され、そのまま鼓膜に向かって音声を耳に伝える仕組み。耳をふさがない「ambie sound earcuffs(アンビー サウンドイヤカフ)」と同じようなコンセプトですね。
市場には外の音が聴こえる骨伝導式のヘッドセットもありますが、この方式では音質が犠牲になってしまいます。そう考えると、STH40Dはきちんと音質も保ちつつ音漏れが少ないという点が魅力です。
装着する際は、ユーザーの耳の穴のサイズに合わせてサイズ違いのリングサポーター(S、M、L)を左右それぞれ3種類のサイズから選べます。一般的なイヤフォンのように耳の穴にイヤーピースを入れるのではなく、耳の穴の浅い部分にひっかけて安定させる役割です。
実際に装着した感覚は、耳たぶをはさむような感じです。リングサポーターが耳の穴で固定され、フィッティングも非常に良好。本体の半分が耳の後ろに定着していることもあり、想像よりも目立たずメガネをかけても干渉しません。重さは両耳合わせても約18gと軽量。触れている感覚があるのは、耳の穴の浅い部分の周囲だけです。
イヤフォンタイプのような、耳の穴の奥までふさぐインナーイヤー型特有の圧迫感もなければ、同じオープンスタイルのambie sound earcuffsのような、耳たぶががっちり挟まれているという局所的な負担もありません。安定性もよく、首を振っても、歩いても、走ってもブレたり落ちたりすることはまずなさそうです。
この下掛けスタイルであれば、オトナも子どもも男女も関係なく、さらに耳のカタチや大きさにほとんど左右されずに装着できます。さらに、耳への負荷の少なさも圧倒的です。
音楽を聴いてみると、予想を裏切ってオープンイヤー型ながらしっかりした音質です。大まかなイメージで言えば、少し離れたところにあるスピーカーから音を聴いている感覚に近いものがあります。
しかも、周りの環境音はいつもどおり聞こえており、自分好みの音楽がBGMのように流れている感じで、リラックスして聴けるのが最大の特徴です。
ウィークポイントがあるとすれば、周囲があまりにもうるさいと、さすがにSTH40Dからの音が聞こえにくくなる、もしくは聞こえないという可能性があること。周囲にこうした環境が多いようであれば、周囲の音をコントロールできるノイズキャンセリングヘッドセットのほうが威力を発揮しそうです。
もちろん、音楽に没頭したい場合はオープンイヤーではなく、密閉型が絶対的に良い音で聴けるのは間違いありません。このあたりは、自分がどのように音楽と付き合いたいかというスタンスで使い分けするのが良さそうです。
ケーブル途中のリモコンにはマイク、ボリューム、マルチファンクションキーを搭載。Xperiaでハンズフリー通話したり、、ボリューム調整、曲送り/戻しといった操作を手元で行えます。また、マルチファンクションキーを長押しすることで、GoogleやSiriを起動して音声検索を呼び出すこともできます。
有線タイプのため使わない時の配線が邪魔になりがちですが、左右のユニットに伸びるコードの中間にあるストッパーを引き寄せると、バラバラにならずに一本化できてスッキリまとめられます。
付属のキャリングポーチのデキもなかなかよく、ポーチの口には両端から少し力を入れると開き、離すと閉じる機構があります。ポーチにしまっておけばケーブルがカバンやポケットの中でひっかかることもなく、快適に持ち運びできます。
STH40Dのカラバリは、ブラック、グレー、グリーン、ピンクの4色展開。「Xperia XZ1」シリーズや「Xperia XZ2」シリーズのカラバリと合わせやすいラインアップです。
今までのイヤフォンとは明らかに立ち位置が異なり、使用中に新鮮な感覚に浸れるSTH40Dは、ぜひ所有したくなるガジェット。STH40Dを使いたいのに「Xperia XZ2にはイヤフォン端子がない!」という問題は、次回ご紹介するアイテムで解決したいと思います。
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