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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第277回

手の平PCでコワーキングスペースでも快適なPC環境を構築するワザ

2018年06月02日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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モバイルディスプレーでもう1画面を追加する

 さて、大型ディスプレーを使えるのはありがたいのだが、やはりもう1画面欲しいところ。VivoMini UN65UはHDMIに加えてDisplayPortを備えているので、それを使ってもいい。デイジーチェーンに対応しているので、最大3画面出力が可能だ。とは言っても、DisplayPortのあるディスプレーがあるとは限らない。そこで、今回は最近流行っているモバイルディスプレーを利用してみよう。

 モバイルディスプレーとは、ノートPCのディスプレー部分だけ分離したような製品で、ディスプレーサイズや解像度、映像出力、バッテリーの有無などで様々な製品が発売されている。

 今回は、コワーキングスペースに置いておくのが前提なので、大きめの画面でバッテリーは不要、USB接続、という条件に合致したASUSの「ZenScreen MB16AC」をお借りした。接続はUSB Type-Cだが、Type-Aへの変換アダプタが同梱しているので問題なし。ただし、USB Type-C接続時の最大輝度は220cd/m2だが、Type-A接続時は180cd/m2になってしまう点は注意しておきたい。

 サイズは15.6型ワイドで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。応答速度は5msで、視野角は水平垂直ともに178度。サイズは359.7×226.4×8mm、重量は約0.78kg。

 付属のスマートカバーはディスプレーの前後全体をカバーしてくれるので、よっぽどのことがない限り持ち運び時に傷が付く心配はない。利用時は、折りたたんでスタンド代わりに利用できる。マニュアルには3パターンの折りたたみ方が紹介されていた。マグネットは強く、取り回しは気持ちがいい。ただ、強すぎるので、ほかの電子機器にくっつけないようにしたい。マニュアルにも稼働中のノートPCには重ねないように記載がある。

モバイルディスプレーの「ZenScreen MB16AC」。価格は3万5000円前後

本体とスマートカバー、USBケーブル、変換アダプター、ペンが同梱されている

USB Type-CケーブルにType-A用のアダプターを装着できる

スマートカバーはマグネットで折りたたみやすくなっている

寝かせた感じになるが、少々すわりが悪かった

縦置きすることもできる。安定感はイマイチで手をぶつけると倒れそう

ペンを右下の穴に通すと、スタンド代わりに使える

大画面デュアルディスプレーなら
バリバリ仕事ができる

 USB Type-Aで接続する場合、ASUSのサイト(こちら)からDisplayWidgetソフトェアをインストールする必要がある。どちらにせよ、USB Type-C接続でも、さまざまな機能を活用するには必要だ。

 その際、同じASUSのVivoMini UN65Uにインストールしようとしたのだが、プリインストールされているセキュリティソフトに不審なプログラムとして判別されてしまった。Windows Defenderでは問題なかったので、「リスクを容認する」をクリックして、インストールを進めていいだろう。

 ケーブルを接続すれば、即デュアルディスプレーとして画面が表示された。外出先で15.6型ワイドをサブディスプレーとして使えるのはさすがに快適。描画が遅いということもなく、普通に利用できた。設定は本体のボタンでも行なえるが二つしかなくて操作しづらいので、DisplayWidgetソフトェアを使う方がラク。ブルーライトをカットしたり、縦表示したりと機能が豊富だ。

 今回は、コワーキングスペースのロッカーに置いておくことを想定していたが、この薄さと約0.78kgという重量なら持ち運びもアリだ。特に出張時などで大活躍してくれそう。USB Type-Cを搭載しているノートPCならさらに便利に使えるだろう。

大画面デュアルディスプレーで作業がはかどる

DisplayWidgetソフトェアで各種設定を行なう

ブルーライトをカットできる

縦表示も可能。資料を読むのにぴったり

 ミニとは言えデスクトップPCのパワーと、大画面のデュアルディスプレイ、そして使い慣れた高級キーボード&マウスの組み合わせがあれば、快適そのもの。アウトプットをお金にするなら、作業効率向上には投資する価値がある。コワーキングスペースのロッカーとミニPC&モバイルディスプレイの組み合わせ、良い感じでお勧めだ。それどころが、アダプターを入れても2kg以下なのだから、大きめのバッグに入れれば海外旅行に持って行くのもありかもと検討し始めている。

コンパクトなロッカーにも一式しまっておける

今回撮影に使わせてもらった
コワーキングスペース「CONTENZ」

 筆者が契約している五反田駅近くのコワーキングスペース「CONTENZ」(こちら)。月会費が9900円と安く、静かで仕事に集中できる環境を使い放題というのがうれしい。

筆者の使っているコワーキングスペース。昼はここで原稿を書き、夜は系列のコワーキングスナックで飲んでいる

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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