さとうなおきの「週刊アジュール」 第37回
「Build 2018」アップデート アプリ開発編:Azure Kubernetes Serviceが機能拡張
ブロックチェーンアプリ構築ツール「Azure Blockchain Workbench」登場
2018年05月21日 13時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、先週の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
2018年5月7日から9日の3日間、米国シアトルでMicrosoftの年次開発者カンファレンス「Build 2018」が開催されました。5月8日に公開した「『Build 2018』特別号外:1日目基調講演のAzure新発表まとめ」に続いて、Build 2018でのアップデートのまとめを、IoT編、AI編、アプリ開発(コンテナー/サーバーレスなど)編、データ編の4回に分けてお送りします。
本稿はアプリ開発編です。Azureのコンテナーやサーバーレス関連のアップデートをまとめて紹介します。
Azure Kubernetes Service(AKS):改名、Azure DevOps Projects、Azure Dev Spaces
Azure Kubernetes Service(AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
今回、旧称の「Azure Container Service(AKS)」から「Azure Kubernetes Service(AKS)」に改名されました。
DevOpsのサイクルに必要なすべてを自動的に構成してくれるサービス「Azure DevOps Projects」が、アプリケーションのデプロイ先としてAzure Kubernetes Service(AKS)クラスターをサポートしました。
Azure Dev Spacesが発表され、現在プライベートプレビュー中です。Azure Dev Spacesは、Azure Kubernetes Service(AKS)内に作成できる、個人やチーム向けの迅速にイテレーション可能なKubernetes開発環境です。Azure Dev Spacesを使うと、Visual Studio、Visual Studio Codeなどから、コンテナーアプリケーションを迅速に実行、デバッグ、コード変更することができます。
Azure Monitorは、様々なAzureサービスの監視データを集約するサービスです。
Azure Monitorでコンテナー正常性監視機能のプレビューがリリースされ、Azure Kubernetes Service(AKS)の正常性やパフォーマンスを監視できるようになりました。
さらに、Azure Kubernetes Service(AKS)で、次の新機能がリリースされました。
- Azure PortalでのAKSのエクスペリエンスの改善
- Azure CNI(Container Networking Interface)を使ったKubernetesノードのカスタムVNET(仮想ネットワーク)へのデプロイ
- Kubernetesイングレスコントローラーを使ったパブリックアプリケーションの公開
- Windowsコンテナーのサポート(プライベートプレビュー)
詳細は、ブログポスト「Azure上のKubernetes: 業界最高のエンド ツー エンドのKubernetesエクスペリエンス」、「Monitoring Azure Kubernetes Service (AKS) with Azure Monitor container health (preview)」、記事「『Build 2018』特別号外:1日目基調講演のAzure新発表まとめ」をご覧ください。
Visual Studio Team Services:スプリント134
Visual Studio Team Services(VSTS)は、コードリポジトリ、バックログ管理、CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)などの機能を備えた、開発チーム向けのサービスです。
4月のスプリント133に続き、Visual Studio Team Servicesのスプリント134のアップデートがリリースされました。
このスプリントでは、Ruby、Python、Javaのサポートが強化され、Azure DevOps ProjectsでAzure Kubernetes Service(AKS)、Azure Service Fabricがサポートされました。
また、Visual Studio Team Servicesのデモ環境を自動生成する、VSTS Demo Generatorの新バージョンが公開されました。
詳細は、更新情報「Deploy to Azure Kubernetes Service by using DevOps Projects: Sprint 134 Update」、リリースノートをご覧ください。
Red Hat OpenShift on Azureを発表
5月8日から10日に、米国サンフランシスコで「Red Hat Summit 2018」が開催されました。
Red Hat Summit 2018で、MicrosoftとRed Hatは、フルマネージドのOpenShiftサービス「Red Hat OpenShift on Azure」を発表しました。MicrosoftとRed Hatの2社が共同で、Red Hat OpenShift on Azureを開発、運用、サポートします。数か月以内に、プレビューがリリースされる予定です。
Azure CLIを使って、たとえば「az openshift create -n oscluster -g osrg –node-vm-size Standard_DS4_v3 --l eastus」といったコマンドで、Red Hat OpenShift on Azureのクラスターを作成できます。
Red Hat OpenShift on Azureでは、Open Service Broker for Azure(OSBA)がサポートされているため、Red Hat OpenShift on AzureからAzure Cosmos DB、Azure SQL DatabaseといったAzureサービスを簡単に利用できます。
詳細は、ブログポスト「OpenShift on Azure: The easiest, fully managed OpenShift in the cloud」、プレスリース「Red Hat and Microsoft Co-Develop the First Red Hat OpenShift Jointly Managed Service on a Public Cloud」、記事「MSとレッドハット、AzureでOpenShiftのフルマネージドサービスを提供」をご覧ください。
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