中国アプリとアフリカのアプリが初期導入済み
ハードウェアはエチオピア産という以外はごくごくスタンダードである。そこでソフトウェアを中心に見てみる。
初期状態では英語だが、カスタムROMの「HiOS」セットアップの途中で中国語ほか、アフリカ各地の言語にも変更が可能。日本語の設定はない(SimejiやWnnなどのインストールは可能だ)。
また、指紋設定など初期設定を行なう中で、国と都市の選択をするが、これまた選べるのはアフリカや中東諸国ばかりであり、中国はない。
とはいえ言語設定を中国語にすると、中国製カスタムROMらしく違和感のない中国語が画面に表示され、新しい中華スマホのように触ることができる。
中国メーカーの製品とはいえ、GoogleやGmail、GoogleMap、YouTubeのほか、FacebookやInstagram、WhatsAppがプリインストールされているので、さまざまなアプリを後からインストールするのは難しくはない。
加えてデフォルトでユーティリティーアプリ「手机大師」、英中入力アプリ「触宝輸入法(TouchPal)」、ブラウザーの「鳳凰閲覧器(フェニックスブラウザー)」といった中国のアプリと、伝音のサポートセンターのアプリ、ユーザーコミュニティー掲示板アプリがインストールされている。
ユーザーコミュニティーアプリに関しては初期設置でナイジェリアやエチオピアなどの国と購入機種やサッカーなど関心分野を設定することでスレッドを絞って表示できる。またユーザーに向けたキャンペーン情報も掲載される。
さらに、アフリカ向けローカライズのプリインストールアプリとして、アフリカ各国の音楽が聴けてミュージックビデオが見られる「Boomplay」や、ケニアなどで展開されているECアプリ「Packsell」、ナイジェリアやケニアなどアフリカ発のニュースアプリ「Eagleee News」なども導入されている。
そのほか、(各種サイト情報によると)ナイジェリアなどで人気となっているというSNSアプリ「PalmChat」やナイジェリア発のアフリカ向けアプリストア「Palmstore」、エチオピアのアムハラ語入力アプリ「fynGeez」、エチオピア商業銀行のモバイルバンキングアプリ「Commercial Bank of Ethiopia」もインストールされている。
補足すると「Packsell」と「Commercial Bank of Ethiopia」は、現地の電話番号で登録する必要があり、海外の電話番号では閲覧すらできない。また「Palmstore」を活用すれば、Google関連のアプリやFacebookなどのインストールやアップデートが本来できない中国でも可能となる。
触ってみた感想は、ハードウェアとしては一般的な中華スマホではあり、カスタムROMもデザインが中国製品らしく、異文化感はないのだが、とはいえプリインストールアプリは中国の押しつけはない。
それでいて未経験のアフリカ各国の音楽が聴けて、アフリカのアプリを知り、掲示板からスマホ事情を知るきっかけとなる面白いスマートフォンだと感じた。
アフリカ各国向けの設定が可能で、アフリカ各国向けアプリがインストールされていて、購入者による交流掲示板が用意されていて、コンサートなどの購入者キャンペーンも行なわれている。
統計によるとアフリカ各国でノンブランドの山寨スマートフォンが流通しているそうだが、伝音製品はそれより値段が少々高くても魅力的に映るのではないだろうか。
この連載の記事
-
第209回
トピックス
海外旅行でAIアシスタントを活用したら、見知らぬ場所にも行けて旅が楽しくなった! -
第208回
トピックス
中国のゲーマーが20数年待ち望んだ国産AAAタイトル『黒神話・悟空』の人気で勝手にビジネスを始める中国の人々 -
第207回
スマホ
折りたたみスマホが次々と登場する中国 カワイイニーズ&成金ニーズがキーワードか -
第206回
トピックス
AI時代に入り、中国独自の半導体による脱米国の可能性は少し出てきた!? -
第205回
トピックス
中国のガジェットレビューがメッチャまとも&有用になっていたのにはワケがあった -
第204回
トピックス
必死に隠して学校にスマホ持ち込み!? 中国で人気のスマホ隠蔽グッズは水筒に鏡に弁当箱 -
第203回
トピックス
死んだ人をAIを動かすデジタル蘇生が中国で話題! 誰もが「死せる孔明生ける仲達を走らす」時代に!? -
第202回
トピックス
停滞感があった中華スマホだが、生成AIが盛り返しのきっかけになるかも -
第201回
トピックス
ようやく高齢者にスマホが普及し始めた中国 ECで爆買い、そして詐欺のカモにされることも -
第200回
トピックス
世界で台頭する新興中国ガジェットブランド総ざらい 有名になる前に知っておきたい -
第199回
トピックス
中国の寒冷地ではEVは不人気!? スマホは大丈夫? 中国の極寒環境のIT事情 - この連載の一覧へ