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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢第205回

ついに世界2位になったファーウェイはスマホ市場にトップに立てるか

2018年08月25日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII編集部

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 Huawei(ファーウェイ)がついにスマートフォンの世界シェアで2位の座に上り詰めた。Appleを上回っての2位で、7年続いたSamsungとAppleがトップを争うというスマホ2強体制が崩れた。頂点を狙うHuaweiは、Samsungを2019年内に倒すべく猛攻をかける。

今年3月にパリで発表された「HUAWEI P20」シリーズ。Leicaとのコラボによるカメラへの評価が非常に高く、同社スマホの好調における大きな要因となっている

ついにApple超えを達成したファーウェイ

 Huaweiのスマートフォンビジネスを立ち上げたRichard Yu氏が2016年、「2年でAppleを超える」と言ったとき、不可能ではないだろうし、この会社ならやるのだろうという受け止め方が多かったと思う。そしてその言葉どおりとなった。

 7月31日、CanalysとIDCの2社が発表した2018年第2四半期(4~6月期)のスマートフォン市場調査で、HuaweiはAppleを超えて2位となった(台数ベース)。その台数は5400万台で、前年同期比41%増という素晴らしい伸びだ。Appleは1%増の4100万台、シェアはHuaweiが15.8%でAppleは12.1%。

Canalysのサイトより。当然ながらAppleは毎年この時期はシェアを落とすわけだが、それを抜きにしても今年のファーウェイは好調であることがわかる

 秋に最新のiPhoneを発表するAppleは第2四半期は例年振るわないのは確かだ。しかし、決算発表ではハイエンドの「iPhone X」が好調で予想を上回る内容となった(当然ながら製品単価が高いため)。実際、Canalys/IDCともにAppleは前年同期比1%増となっている。

 スマホ市場全体で見れば、マイナス成長(IDCはマイナス1.8%)となるなかで、あおりを受けたのはHuaweiに2位の座を譲ったAppleではなく、王座を維持するSamsungだ。Samsungは2月にフラッグシップの「Galaxy S9」「Galaxy S9+」を発表したが、前年ながら振るわず。第2四半期は、Canalysのデータでは前年同期比8%マイナス、IDCでは同10%マイナスとなった。

 Huaweiは3月に発表した最新のフラッグシップ「HUAWEI P20」「HUAWEI P20 Plus」が好調で、すでに出荷台数は700万に達している。中国以外の市場での両機の出荷台数は、前モデルの倍以上とのこと。さらにはその翌月に新機種を発表した「honor」シリーズもある。CanalysによるとhonorシリーズがHuaweiの出荷台数に占める比率は、1年前の24%から36%に拡大しているとのことだ。

もはや「iPhoneに未練はない」というティーンエイジャー

 2007年のiPhoneとともにスタートした現在のスマートフォンブームだが、その構図はAndroidトップのSamsungとAppleの2極体制が続いてきた。2社はフラッグシップモデルで戦い、法廷でも争った。HTC、ソニーなどの存在感が薄くなる中、Huaweiは約6年前にホワイトレーベルから自社ブランドでの携帯電話メーカーに切り替えた(Huaweiは今でも同社最大の収入源である、通信機器ベンダーとしてスタートしている)。

 しかも、Huaweiは大きなハンデがある中で世界2位を成し遂げた。そのハンデとは米国市場だ。Huaweiの通信機器に対しては、米国政府が主要キャリアに使用しないよう勧告しているが、端末においてもほとんど存在感はない。最大手VerizonのキャリアショップのマネージャーもHuaweiブランドのスマートフォンを知らなかったので、一般の認知は低いと言っていいだろう。そんな中での世界2位なのである。

 一方で欧州の存在感は大きい。フランス、ドイツなど欧州では地下鉄など街中でHuaweiの着信音を聞く機会が確実に増えた。中でも驚くのが、若い人にブランドとして定着しつつある点だ。InstagramとSnapchatを愛する知人の娘(17歳)は、「iPhoneに未練はない」と言い切る。

 セルフィーから食事まで写真が欠かせない彼女は、iPhone SEの次のスマートフォンを選ぶにあたってHuaweiを選んだ。Samsungは選択肢になく、iPhoneかHuaweiかなのだったという。結局、HUAWEI P20のリリースをきっかけに価格が下がった、HUAWEI P10を春に購入したという。HUAWEI PシリーズでのLeicaとのコラボは奏功したと言えるだろう。娘の影響か、母親はタブレットにHuaweiを選んだ。このような女性層の取り込みは、日本の端末トップの呉波氏も目指しているところだ。

 Huaweiは当初からブランド戦略を重視しており、世界のブランドランキングに入るようになった。BrandZの「Global Top 100 Brands 2018」では、YouTube、NTT、FedExなどをおさえて48位だ(http://brandz.com/charting/54)。

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