GALLERIA GAMEMASTERが刷新
「GALLERIA GAMEMASTER」は、サードウェーブの販売するゲーミングパソコンだ。
公式サイトを見ると、最近のパソコンには珍しく、シリーズ名に英数字を使っておらず、ノートモデル、スリムモデル、タワーモデル、ミニタワーモデルという4つのカテゴリー分けがされている。
ノートモデルにN、スリムモデルにGS、タワーモデルにGX、ミニタワーモデルにGMと、アルファベットの型番も用意されており、さらにスペックごとに末尾のアルファベットが変化する。
例えば、タワーモデルのエントリーモデルは「GXH」、GeForce GTX 1080 TiとCore i7-8700を搭載する最上位モデルは「GXZ」という具合である。
通常、パソコンのレビューでは、シリーズ構成にまで言及しないが、あえてこの構成を紹介したのには理由がある。
使いやすさや安心感を重視
それは、GALLERIA GAMEMASTERというシリーズの成り立ちにある。
通常、ゲーミングパソコンといえば、ハイスペックで最新のパーツを搭載する構成を前提として企画されるが、このGALLERIA GAMEMASTERは、「複数の人気ゲームで動作検証を実施し、ゲームを安心してプレーできる」という点を最大のコンセプトとしている。
もちろん、それで搭載するハードウェアの品質を下げるわけではないが、スペックの高さを競うゲーミング市場の中でも、より実際の使用シーンに密着した、一歩引いたコンセプトの元に生まれた製品だといえるだろう。
ローンチからその点を推してきたGALLERIA GAMEMASTERシリーズが、今月になってフルモデルチェンジを果たした。
主力となるタワーモデルの型番はGXH、GXT、GXF、GXZの4種類で、エントリーのGXHのみCore i5-8500、それ以外はCore i7-8700を搭載する。GPUとメモリーの容量も型番ごとに変わるが、どのモデルも共通して500GB SSDと1TB HDDを搭載している。
このモデル分けの方法もシリーズのコンセプトを反映していると思う。
プロセッサーやGPUのグレードは多少落としても、描画品質を落とせば快適なゲームプレーが実現するケースが大半だが、ストレージはそうはいかない。
安価なモデルを購入した結果、ストレージ容量が小さく、ゲーミング利用と併用して動画編集や写真編集にも使うと、あっという間にストレージを圧迫し、動作が緩慢になる。結果的にストレージを増設するための追加の出費が発生する……といった経験をしたことがある人もいるのではないだろうか。
どのモデルを選んでも、合計で1.5TBという十分な容量を持っている点は、実際の利用シーンをよく考えた仕様だといえるだろう。
動作検証タイトルの多さも、そうした「実際の利用シーン」を想定した、大きな魅力の1つ。
マシン選びになると、スペックやデザインに目を向けがちだが、スペックに現れないこうした仕様の方が、実際の使い勝手に大きく影響を与える部分でもある。
内部へのアクセス性のいいケース、優れたエアフロー
新型のGALLERIA GAMEMASTERシリーズ、タワーモデルのケースは、左サイドに強化ガラスを採用している。
強化ガラスはシースルーで、内部のパーツが完全に見渡せる。シースルー仕様になったため、よりゲーミングパソコンライクなデザインに変わり、モノとしての魅力もアップしていると思う。
本製品の発表時、担当者は「GAMEMASTERシリーズは、いわゆるゲーミングマシンらしい派手さはなく、シンプルなデザインで交換が持てるという声をもらうことが多い」と話していたが、そのシンプルなよさを生かしつつ、ゲーミングらしい意匠を求めた結果なのだろう。
このパネルは、見た目のよさだけでなく、使い勝手にも貢献している。すぐに中の様子が覗けるので、エラーが起きた際に、それがハード・ソフト由来かをすぐに判断できる。また、取り外しはパネル上部のピンを2本引っ張って、下部の突起をケース本体から抜くだけだ。
ツールレスで、簡単な手間で内部にアクセスできるため、清掃面でも管理がしやすいし、将来的に増設したくなった際も気軽にカスタマイズできるだろう。
特殊なエアフローも、このケースの特徴だ。従来モデルでは、開口部をいくつも設けて、熱が内部にこもらず発散されるように、各開口部から熱が発散していく構造をとっていた。
新モデルでは、ほかのGALLERIAシリーズに採用されているよりも、風量の多いファンを採用。各開口部に明確に吸気/排気の役割を持たせて、吸い込んだ空気と廃棄される空気の量もコントロールしている。
排気より吸気が多いときに起こる圧力によって、空気をケース内で循環させ、効率的に内部を冷やす構造とした。これにより、従来モデルより静音性を向上させながら、冷却性能は同等を維持したという。
ケースデザインの面では、USBポートの配置にも注目したい。
アクセスのしやすい前面にUSBポートをまとめることで、周辺機器の入れ替えやすさを確保。USB 3.0端子を4つ、USB 2.0端子を2つ搭載しているため、よほど大量に周辺機器をつながない限りは事足りるだろう。周辺機器を入れ替える機会も多いゲーミングパソコンでは、USBポートにアクセスしやすいのは大きなメリットだ。
周辺機器といえば、オリジナルのゲーミングマウスとキーボードが付属する点もこのモデルの魅力だろう。いずれも同社が独自開発したモデルで、ゲーミング周辺機器の雰囲気はありつつも、シックに仕上げている。
快適なゲームプレーを望むなら最有力候補
シリーズのコンセプトなども交えつつ、GAMEMASTERの新モデルを紹介したが、BTOメーカーとして数多くのパソコンを企画、製造、販売してきたメーカーならではの切り口で、ユーザー目線に立ってゲーミングマシンを作った結果がこのモデルだと思う。
同社のスタッフには、プライベートでもPCゲームを楽しんでいるゲーム好きな方も多い。そういったスタッフたちの意見も多分に入っているであろうこのモデルは、ゲーミングパソコンを始めて購入する人や、持っているものの使い勝手に満足がいっていない人などに、広くおすすめしたい。
本記事で紹介しているパソコン、マウス、キーボードは、池袋にオープンしたe-sports施設「LFS」(関連記事)でも導入されているので、購入前に触りたい人は、一度LFSを訪れてみてはいかがだろうか。