日本マイクロソフトは2018年4月19日、パブリックセクター(政府・自治体、教育・研究機関、病院・製薬)事業本部の組織内に、サービスデザイン思考による行政サービス改革の支援を行う専門チーム「デザインジャパン推進室」を新設した。日本政府がIT戦略に掲げる「サービスデザイン思考による行政サービス」の実現を、サービスデザイン思考の専門人材とマイクロソフトのテクノロジーで支援する。
政府のIT戦略本部は2016年に新たな電子行政の方針として「ITを活用した利用者視点のサービスデザイン」を打ち出した。「行政サービスそのものをデジタル前提で再設計することにより、利用者中心の行政サービス改革を推進する」(2017年5月発表の「デジタル・ガバメント推進方針」より)ことを掲げ、それを実現する方法論に「サービスデザイン思考」を取り入れる方針だ。サービスデザイン思考とは、「サービスを利用する際の利用者の一連の行動に着目し、サービス全体を設計する考え方」(同「デジタル・ガバメント推進方針」より)だ。
この政府方針を受けて、日本マイクロソフトは今回、政府・自治体担当の営業組織であるパブリックセクター事業本部内に、サービスデザイン思考の専門チームを組織した。社内に100人規模のサービスデザイン思考の専門人材を育成する計画だ。政策立案に向けた課題抽出と課題解決のためのサービスデザイン、マイクロソフトテクノロジーを使ったサービスのプロトタイピング、実装までを支援する。
同社 パブリックセクター事業本部長 佐藤知成氏は、「社会インフラの規模で普及しているWindowsを提供するマイクロソフトだからこそできる社会変革がある。マイクロソフトの海外各国での社会変革の事例を、日本に取り入れていく」と述べた。マイクロソフトの政府・自治体分野の海外事例には、エストニアの電子政府向けサイバーセキュリティフレームワーク、シンガポールの自動応答行政サービス「My eCitizen」、メキシコ プエブラ州政府の住民ポータルサービス、ロサンゼルス市の行政サービス「Chip」などがある。