米国のおもちゃ文化の変化に対応する次の企業は
米国で小さな子供がいる友人の家に行くと、膨大な数のおもちゃに圧倒されます。5歳にもなると、1週間かけても全部のおもちゃで遊びきれないだろうというほどのおもちゃがあり、とにかく散らかしながら遊ぶという光景が広がり、ついつい「どうやって片付けるんだろう」と頭が痛くなるほどです。
こうした遊び方がデジタルへと移行し、映像やARといった散らからない遊びが普及すればするほど、Toys’R’Usで販売されていたようなおもちゃの市場は狭まっていくことになります。
一方でシリコンバレーでは、テクノロジー企業に勤める親であればあるほど、デジタルを排除した子供の教育への興味が高まっているのも面白い動きです。だからと言って彼らがおもちゃを買い占めるわけではなく、自然に触れさせたり、料理をさせたり、自分で遊びや楽しさを見出すような教育を施したいと考えているようです。
Toys’R’Usを厳しい状況に追いやったのはAmazonやAppleかもしれませんが、これらの企業が必ずしも次の子供の遊びを担うわけでもなさそうなのです。デジタルにとらわれず考えていくことで、あるいは新しいビジネスが生まれるのかもしれません。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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