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VRで危険性を体験できる「自転車ながらスマホ」撲滅プロジェクト

2018年03月20日 18時30分更新

文● 南田ゴウ/ASCII編集部

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 auとau損害保険、ナビタイムジャパンが3月20日から開始する「自転車安全・安心プロジェクト第2弾」は、スマホを操作しながら自転車を運転する「ながらスマホ」の危険性を疑似体験できる「STOP!自転車ながらスマホ体験VR」を制作。VRを通じて、利用者は自転車ながらスマホ時と通常の自転車運転時の視野やブレーキ反応速度の比較を体験できる。

 「STOP!自転車ながらスマホ体験VR」は、歩行者の飛び出しに対して付属のリモコンでブレーキをかけ、ブレーキ反応速度の違いを確認できる。ブレーキ反応速度が遅いと歩行者に衝突する画面が表示される。このVRは4月6日に京都市左京区の岡崎公園で行なわれる「春の全国交通安全運動スタート式」で体験可能だ。

 発表会には京都府の府民生活部 安心・安全まちづくり推進課長の犬井 勇司氏が登壇。京都府は4月1日から自転車保険への加入を義務化する。犬井氏は交通事故の全体の2割が自転車に関する事故とコメント。「自賠責保険がない自転車の事故は非常に危惧が大きい。また、自転車の事故は若年層が多く30歳以下が52%」と語り、「今回のながらスマホ体験VRを自転車事故削減に効果的に活用していきたい」と結んだ。

京都府 府民生活部 安心・安全まちづくり推進課長の犬井 勇司氏

自転車関連事故件数の推移。全体の約2割が自転車関連の事故

自転車側に責任のある事故発生件数

自転車と歩行者の事故件数

自転車側に責任のある事故の運転者の年齢層。全体の52%が30歳未満の若年層だ

 続いて登壇したau損害保険株式会社 営業開発部 営業企画室長の田中 尚氏は、自転車事故に関して「au損保での損害賠償額実績では、500万円以上の支払いは月1件以上、過去最高の賠償額は約8000万円」と語る。さらに賠償事故の受付件数は増加傾向で、2014年度から2016年度までで約2倍になったとコメント。田中氏は「自転車は軽車両。交通弱者である歩行者を自転車で傷つけてしまうと、民事上の責任と刑事上の責任を果たすのはもちろん、道義的な責任も発生する」と警鐘を鳴らす。

au損害保険株式会社 営業開発部 営業企画室長の田中 尚氏

近年報道された自転車事故

au損保での損害賠償額実績

 KDDI株式会社CSR・環境室長の鳥光 健太郎氏は「自転車の安全利用のためにながらスマホを撲滅、高額賠償への備えとしてau損保をと協業」とコメント。自転車ナビアプリを手がけるナビタイムジャパンとも連携して自転車の安全・安心利用に取り組む考えを示した。

KDDI株式会社CSR・環境室長の鳥光 健太郎氏

KDDIとナビタイムジャパン、au損保は自転車安全・安心プロジェクトを推進

これまでの取り組み

 自転車安全・安心プロジェクトは京都府庁において「ながらスマホ」をしながら自転車走行した場合の危険性を検証する実証実験を開催。その結果、歩行者の見落とし回数1.3回から2.0回に、歩行者を認識するまでの時間が1.0秒から1.7秒に増加。歩行者を注視する時間は、ながらスマホ時でなんと23%に減少したとのこと。

実証実験を監修した愛知工科大学の小塚 一宏名誉・特任教授

実証実験の走行コースのあらましと実証実験結果

発表会場でVRを体験。筆者も実際に試してみたが、手元のスマホを見ながらの運転では周囲の状況がほとんどわからず、クルマの影から飛び出してきた人を轢いてしまった

 3月20日~4月19日(木)15時までの期間中、au公式Twitterアカウントで投稿するキャンペーンツイートをリツイートしたユーザーから抽選で1000名に「ローソン ウチカフェ プレミアムロールケーキ」をプレゼントする「STOP!自転車ながらスマホキャンペーン」を実施する。

会場には京都府公式マスコットキャラクターの「まゆまろ」も登場


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