富士通および理化学研究所(理研)は3月16日、材料設計におけるAI(人工知能)技術の有用性を実証できたと発表した。
全固体リチウムイオン電池用の開発において、電解質が固体でも高いイオン伝導率を持つ材料が必要とされている。さまざまな材料を用いて化合物を合成されているが、これまでは研究者や技術者の経験や勘に頼るところが大きかった。実験に先立って化合物の組成から伝導度をシミュレーションで予測することは可能だが、さまざまな組成の組み合わせがあるために計算に膨大な時間がかかる。このため、理研の革新知能統合研究センターと富士通が連携を行なう理研AIP-富士通連携センターでは、AIの密接な連携を通して材料開発における課題を解決する手法に取り組んでいた。
今回、高いイオン伝導率を実現するための固体電解質の組成を予測し、実際に合成と評価実験を行なってこれを実証したという。今後、電池や半導体、磁性体など各種分野で材料開発を大幅に開発できることが期待できる。