暗いお店で撮るなら明るいレンズがいい
こういうお店で猫を撮らせてもらうときは(まあ猫カフェでもいいけど)、明るい単焦点レンズを用意すべし。50mm(相当)でF1.4とかF1.8とか、85mm相当でF1.8とか、そのくらいのレンズならお手頃な価格で用意できるし携帯性も高い。
レンズが明るいとその分ISO感度を落として撮れるし、背景が大きくぼけるのもいい。
他のお客さんは写らないようにしたいし、仮に写っても顔がわからないようにしたいわけで、背景がぼけるのは大事なのだ。
お店にはいって席に着くと、次郎長は相変わらず椅子の背でくつろぎ中。
時には外をじっと見てる。
反対側に回ってそっと。後ろにカップやら何やらが出てるのは私の席。
じゃあ石松はどこかな、と探すと、ちゃっかりお客さんの膝に乗っておりました。
しかもそこにいるのが当たり前、って感じですっと乗っかってるのが石松らしい。
常連さんなのかなと尋ねてみると、アルルを訪れたのははじめてだそうで、一緒に来た友達が常連で誘われてきたらしい。
はじめてやってきて膝に乗ってもらえるとはさすがですな。
帰り際はまた別のお客さんの膝に乗って(もちろん女性)気持ちよさそうに撫でられてたのだからさすがである。
猫カフェではないので猫目当てで行くのはちょっと違うし、お客さんも猫を無駄にかまったりはせず、追いかけたりはしゃいだりもせず、ただ「そこに猫がいる」だけって感じがたまらなくいい。すっかり溶け込んでるのだ。
昭和の時代から続く昔ながらの喫茶店でのんびりオムライスでも食べて珈琲を飲みつつ、のんびり過ごすのに最適な時間を忘れる店である。
それから洗面所にさりげなく飾られてる藤田嗣治のリトグラフも必見。
ファンが多いのもうなずける、猫とアートの喫茶店なのでありました。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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