国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)は2月13日、高い記録効率と信頼性を持つ不揮発性磁気メモリー技術を開発したと発表した。
電子スピンの向きで情報を記録するスピントロニクス素子で、次世代の磁気記録素子の有力な候補として研究が進められている。とくに記録層の磁化を反転させて記録する面内電流型磁気メモリーは、記録層に電気を直接通さないために記録が破壊される危険性が少なく、書き込みと読み出し回路が分離されるため制御しやすいなどのメリットがある。
原理実証実験を進めるなかで、スピンを書き込む際に横向きになってしまうという問題があったが、これまで非磁性体であった基板材料を磁性体にするとスピンが上下どちらかに安定するという結果が発見されたという。安価な鉄をベースとした素材で構成できることもあって、面内電流型磁気メモリー素子開発に向けて期待できる。産総研では、今後材料の最適化など研究を進めるとしている。