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Hazelcast IMDGをPayara Serverに実装

Java EEのマイクロサービス化を加速、HazelcastとPayaraが日本法人を共同設立

2018年01月31日 09時30分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 インメモリーデータグリッド(IMDG)製品を開発する米Hazelcastと、Java EE/MicroProfileの実行環境(アプリケーションサーバー)を開発する英Payaraは2018年1月25日、2社共同で日本法人を設立した。日本語のドキュメント、日本語サポートを提供し、Hazelcastのデータグリッド技術を実装したPayara Serverを主力製品として国内ユーザーに訴求していく。

Hazelcastとは

 Hazelcastは、複数のマシンにデータを分散して並列処理を行うことでアプリケーションを高速化するインメモリー分散コンピューティング運用基盤「Hazelcast IMDG」を開発する。オープンソースで提供している。

 HazelcastのCEO/CTOであるグレッグ・ラック氏によれば、Hazelcast IMDGのメインユーザーは金融機関やEC事業者で、グローバルでのインストール件数は、クラスター環境で数万件、新規サーバー構築は月間4000万台を超えるという。

Hazelcast IMDGのユーザー、大手金融機関で使われている

 また、新製品として大規模データを高速バッチ/ストリーム処理するための分散コンピューティング基盤「Haselcast Jet」を最近リリースした。Haselcast Jetは「Sparkにとって代わる製品」(ラック氏)であり、JARファイルのサイズがわずか10MBのため容易にアプリケーションに組み込むことができる。

HazelcastのCEO/CTO グレッグ・ラック氏

「EE4J」コミュニティをリードするPayara

 Payaraは、Java EEをOracleからEclipse Foundationへ移管するプロジェクト「EE4J」(Eclipse Enterprise for Java)のPMC(プロジェクト管理委員会)のメンバー企業で、EE4J開発の中心的な存在だ。Payaraはまた、Red Hat、IBM、Tomitribe、およびJavaコミュニティと一緒に、Java EEベースのマイクロサービス向けプロファイル「MicroProfile」の開発を推進している。

 製品としては、GlassFishから派生したオープンソースのアプリケーションサーバー「Payara Server」、コンテナーやクラウド環境向けに70MB以下のフットプリントでJava EE/MicroProfileの実行環境を提供する「Payara Micro」を開発している。

Hazelcast上位製品をPayara製品のアドオンで提供

(左から)Hazelcast アジアパシフィック担当のケント晴之介氏、Hazelcast CEO/CTOのグレッグ・ラック氏、Payara テクニカルディレクターのスティーブ・ミリッジ氏、Java Champion寺田氏

 今回、共同で日本法人を設立した2社は、グローバルで技術連携を深めている。Hazelcastのラック氏は、「2社のテクノロジーには相乗効果がある。従来から、Javaオブジェクトをメモリー内にキャッシュする仕様JCacheの実装として、Payara ServerはHazelcast IMDGを使っている」と説明した。

 Payara製品が提供するMicroProfile実行環境と、Hazelcastのインメモリー分散コンピューティング基盤を組み合わせることで、マイクロサービス化されたJava EEアプリケーションに最適なプラットフォームが実現できるとする。

 Payaraがまもなくリリースする「Payara Server 5」には、Hazelcastのデータグリッド技術をベースにした新しいドメインデータグリッドが含まれており、そのままクラウド環境のクラスターに展開可能だ。また、2社は新たに、「Payara Scales」と呼ぶ製品を共同開発した。これは、ミッションクリティカルなシステム用のインメモリーデータグリッド製品「Hazelcast Enterprise」をPayara製品のアドオンとして提供するものだ。

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