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量子シミュレーターで「量子もつれ」を作って観測してみよう

はじめよう「Q#」で量子コンピューティング

2018年01月12日 08時00分更新

文● 廣瀬一海 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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 マイクロソフトは2017年9月の「Ignite 2017」で、量子ゲート方式を採用した量子コンピュータの開発を進めていることを明らかにし、併せてVisual Studioで使える量子ゲート方式の量子コンピュータ向けプログラミング言語「Q#」を発表しました。12月には、Q#を使って量子コンピューティングを行うための開発キット(Quantum Development Kit)の無償提供を開始しています。

 この開発キットには、Q#言語とコンパイラー、ライブラリのほか、皆様がお使いのx64 Windows PCでデバッグできる量子コンピュータのシミュレータ、Visual Studio 2017をQ#用に整備する拡張機能が含まれています。

 今回は、この開発キットを使って、1.Q#開発環境を整備する手順、2.量子コンピューティングの手始めとなる「量子もつれを測定可能にする」手順を紹介します。

1.1 環境のセットアップ

 現状では、Quantum Development Kitは、64Bit OSのみ提供されています。加えて、CPUはAVX(Advanced Vector Extensions)拡張命令をサポートしている必要があります。

 Intel系のプロセッサでは、2011 Q1以後に出荷を開始した、Sandy Bridge以後のプロセッサが該当します。AMD系のプロセッサでは、2011 Q4以後に出荷を開始した、Bulldozer以後のプロセッサが該当します。

 よって、インストールするOSは、Windows 7 SP1以後の64Bit対応版の最新アップデート版が必要となります。

  • Windows Server 2016: Standard Datacenter
  • Windows 10
  • Windows 8.1
  • Windows Server 2012 R2
  • Windows 7 SP1

1.2 Azure Dev Test Labs

 筆者は、環境準備が面倒だったので、Azure Dev Test Labsを使って、Windows 10がインストールされた検証マシン環境を準備しました。検証後の環境保持や自動起動、自動停止などに使うことができるのでとても便利です。

Azure Dev Test Labs

1.3 Visual Studio 2017のインストール

以下のURLからVisual Studio 2017のインストールを行います。

https://www.visualstudio.com/ja/downloads/

 学生の方、オープンソースソフトウェアの開発、個人の開発者であれば、Visual Studio Community 2017を無料で使うことができます。筆者は以下をインストール時に選択しました。

  • ユニバーサルWindowsプラットフォーム開発
  • .NETデスクトップ開発
  • ASP.NETとWeb開発
  • Azureの開発
  • .NET Coreクロスプラットフォーム開発

1.3 量子コンピューティングSDKのダウンロード

 マイクロソフトのこちらのサイトから量子コンピューティングのSDKをダウンロードしましょう。ダウンロード後にQsharpVSIX.vsixをダブルクリックして、セットアップを行います。

量子コンピューティングのSDKをダウンロード

1.4 サンプルプロジェクトのダウンロード

 Microsoft Quantum Development Kit Samples and Librariesとして、GitHubでプロジェクトが公開されています。まずは、このプロジェクトをダウンロードするか、Cloneしましょう。Gitを使いなれた方はCloneするとよいでしょう。

GitHubからサンプルプロジェクトを入手

 今回はダウンロードして、Quantum-master.zipを適当なディレクトリに展開しました。

1.5 プロジェクトの起動

 展開したら、QsharpLibraries.slnをダブルクリックして、プロジェクトを開きます。 この際に、必要な環境がそろってなかった場合のチェックが行われ、インストールが促されますので、その場合はVisual Studioに足りない機能を追加してください。

足りない機能のチェックと追加

1.6 量子コンピューティングSDKの確認

 必要な機能が追加されたら、再度プロジェクトを開きます。

 右のソリューションエクスプローラーからSamples > 0. Introductionフォルダを開いてください。その中に「TeleportationSample」のプロジェクトがあります。これは量子テレポーテーションを検証するプロジェクトです。このプロジェクトを右クリックして、Set as Startup Projectで実行プロジェクトに指定します。

 指定が終わったら、F5キーを押して実行してみましょう。コンパイルが終わり量子テレポーテーションの結果が表示されたら、環境の準備はできています。

「TeleportationSample」を使って環境準備ができたか確認

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