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「Microsoft Ignite 2017」にみるAzureの進化 第1回

Ignite 2017で独自開発の「トポロジカル量子デバイス」をお披露目

マイクロソフトが「量子コンピューティング技術」発表、Azureに統合する計画

2017年09月26日 01時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 マイクロソフトは米国時間9月25日、技術カンファレンス「Microsoft Ignite 2017」基調講演で、量子コンピューティング技術を発表した。安定した量子ビットを生み出す「トポロジカル量子コンピューティング」と呼ばれる技術を、独自開発のハードウェアボードに実装している。将来構想として、この量子コンピューティングをAzureに統合していく計画だ。

Ignite 2017の基調講演で独自開発のトポロジカル量子デバイスが披露された

 マイクロソフトは、量子デバイスの製造に特化した研究所を持っており、今回発表したハードウェアボードは、トポロジカル量子デバイス専用に原材料から独自開発したナノワイヤー、集積回路の製造技術で作成した薄い伝導層を搭載。配線など設計の工夫により、冷却システムを含めたスケーラビリティ、低エラーレート、長時間実行を実現しているとのことだ。このハードウェア上に、量子コンピューターのファームウェア、オペレーティングシステムから成るランタイム層を構築している。

 また、量子デバイス上に量子アプリケーションをデプロイするために、Visual StudioなどのIDEから操作可能なフルスタックの開発環境を整備していくと発表している。

Visual Studioから量子アプリケーションの開発環境を提供

 今回マイクロソフトが発表した量子コンピューティング技術について、量子制御理論が専門で量子コンピューターの研究を行っている京都大学 大学院情報学研究科 助教の大木健太郎氏は、「従来の商用量子コンピューターと比較して、計算誤差に強く、物理的に混入するノイズ(電磁波や振動)に対して耐性ができるように量子ビットを配置・制御したもののようだ」と解説する。用途としては、「暗号解読、巡回セールスマン問題など組み合わせ最適化の分野の問題を解く計算機」(大木氏)だという。

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