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「送球Fはちょっと……」:

プロ野球選手は「パワプロ」の査定をどう思っているのか

2018年01月08日 12時00分更新

文● モーダル小嶋/ASCII

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「ゲームでの評価」も選手たちに届く声です

 選手たちのパワプロ査定への感想を聞いていると、自分への評価として、真剣に受け止めている人が多いと感じました。もちろん内心では「こんなの俺じゃない」と思っている可能性もありますが、少なくとも選手たちのコメントからは、「こういう成績だったから、このように評価されているのだろう」と、客観的に分析している声が目立ちます。

 あくまでコナミのスタッフによる評価であり、ほかのデータを参照すれば、また違ったパラメーターになるかもしれませんが、すくなくともパワプロの選手データに関しては、一つの声として前向きに受け取る選手のほうが多いのではないでしょうか。たとえば横浜DeNAベイスターズの今永選手は、アップデートされて自身の能力が上がっていたことを知り、パワプロのごとくピンチの状態でも強くある能力を身につけたいと話していました。

プロ選手によるパワプロのエキシビションマッチも開催

解説は千葉ロッテマリーンズで活躍した里崎智也さん。森選手が操作して打たれると「リードがよくないですね」と嬉しそうに語っていたのが印象的でした

 プロ選手が対戦するエキシビションでは、シリーズ最新作である「実況パワフルプロ野球2018」のVRモードによる対戦もありました。実はプロ野球においても、HMDなどを利用した選手向けのVRトレーニングシステムを取り入れる球団が出てきています。ボールの軌道や回転数などをトラッキングするシステム「トラックマン」の普及も手伝い、今後はより野球とVRが密接になるかもしれません。

選手たちはVRモードの操作は初めて。しかし、すぐに操作に慣れたのか、好プレーを連発していました

里崎さん(現役時代は捕手)はVRモードの視点について「(捕手の視点だと)こんな感じの画が見えるんですよ。キャッチャーから見た『打たれる感じ』が、実際の野球とまったく一緒」と絶賛

 特に海外(アメリカや韓国など)では数年前からデータ分析の波が来ており、試合の作戦のみならず、チームづくりにおいても膨大な量のデータや指標などを参考にするようになってきています。その流れに後退することなしに、いかにデータを積み上げて解析していくかが、今後の日本球界の発展のヒントになりそうです。ゲームを始めとする野球を取り巻くさまざまな文化が、その潮流に寄与するところは少なくないでしょう。

 ゲームの存在によって、野球がより多くの人たちに親しまれていくことも大事なはずです。プロ野球選手の中にも、ゲームで野球が身近になった人は少なくないのですから。パワプロを含めた野球ゲームが、選手たちにデータの刺激を与え、新しいファンに経験というよろこびを生み出していく……そんな流れが続いていけばよいなあと、野球好きとして強く感じた一日でした。

訂正とお詫び:掲載当初、選手名の表記に一部誤りがありました。訂正し、お詫びいたします。(1月8日 20:40)


モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!

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