週アスは国内初の完全電子化した週刊誌
日本IT界のリードオフマン、なのだが……っ!
ショッピングはネット通販に、レンタルビデオは動画配信に、業績を上げるためにIoTだ、AIだ、ビッグデータ活用だ……とあらゆる分野で進むデジタル社会。
その最新情報を毎週発信してきた週刊アスキーが、2015年10月号を最後に紙媒体での提供を止め、電子雑誌へいち早く移行したのは当然の流れ。
週刊誌が紙媒体から完全電子化したのはもちろん日本で初めてのことであり、今も週アスはリードオフマンとしてひた走っているのだ……が、しかし電子化からおよそ2年半経過した現在、編集Aと共に年始のお得意先回りに向かう宣伝担当の足どりは重かった。
出会いがなければ、彼女も読者も開拓できない!
電子雑誌化に伴って、紙の雑誌として店頭に並ぶ機会が年に数回となった週刊アスキー。このことにより、その存在を知らない人へのアピール機会が大きく減ってしまっているのだ。
書籍や雑誌であれば、書店で見かけ、気になって買うという人もいる。何気なくパラパラめくった先の内容に惹かれ、ついレジまで足を運んでしまったという経験は誰しもあることだろう。あるいはPOPやポスターなどで露出力を高めることもできる。しかしその機会が限られてしまっている現在、宣伝もいまひとつやりにくい。
編集A そう、電子雑誌で新しい読者を見つけるって大変なのよ。
宣伝担当 そうです。表紙には可愛いアイドルが登場するし、生放送や動画もあります。でもそのアピールはインターネット上に限られますよね。『たまたま目にして気になったから』という出会いは期待できません。もっと広い範囲で偶然の出会いを作れませんかねー。
編集A ウェブ媒体以外の露出先なら、他の紙媒体に自社広告を出すのは? あとは、雑誌として売ってたときのように毎週車内吊りを出すとか、いっそのこと、昔みたいにテレビCMやる? 深夜に冠番組作って……。
宣伝担当 電子雑誌を紙で広告するって何か違うような。そもそも、完全デジタル化済みの素材が活かせないし、動画の一場面を写真で掲載するより、動画素材自体を活用できたほうがいいわけで。
編集A へぇ~、今年の『妖怪ウォッチ』は鬼太郎が出るのか。
宣伝担当 僕は夢枕獏原作の『空海』が気になるかな……そうそう、こんな風に、偶然見かけて気になるというのが大事なんですよ。KADOKAWAのビルにはアニメや映画のポスターがたくさん貼ってあるのになぁ。週アスのポスターも貼れないかな。
シャープがアスキーの救世主!?
インフォメーションディスプレイでアスキー宣伝作戦
編集A そういえば、シャープさんが「簡単にポスターを置きかえられるディスプレイっていうのをこの間発表していたような。編集部で記事を見ましたよ。
宣伝担当 なにか面白そう。挨拶回りのついでに、シャープさんを訪ねてみましょうよ。
石川 あれ、アスキーさんじゃないですか。ずいぶん浮かない顔をされてますね。
というわけで訪ねたのは、シャープのビジネスソリューション事業本部 ビジュアルソリューション事業部 国内営業部の石川さん。挨拶がてら、週刊アスキー電子版の宣伝方法に難儀している旨を打ち明けると……。
石川 なるほど。電子媒体の素材をそのまま活かせる宣伝方法ですか。それなら良いモノがありますよ。電子媒体の素材はもちろん、動画も活用して“動くポスター”を作って表示するインフォメーションディスプレイです!
宣伝担当 いわゆるデジタルサイネージですね。よく駅の改札口で運行情報を表示したり、柱に埋め込んでポスター広告の代替をしたりしていますよね。最近はファーストフード店やクリニックでも見かけます。
石川 どうですか、KADOKAWAさんのビルのエントランスなどに設置してみるというのは。インフォメーションディスプレイなら宣伝期間が終わってもポスターを貼り替える必要ありませんし、運用も簡単です。
宣伝担当 それだ! アニメや映画も予告編とか流したりできるし、その間に週アスの宣伝動画を挟み込めば、アニメの予告を眺めている人たちにそのまま週アスをアピールできる!
編集A なんか話がトントン拍子に進んでますけど、インフォメーションディスプレイってそんなに便利なんですか? 紙のポスター貼って剥がすほうが楽に見えますけど。
宣伝担当 (コイツは相変わらず失礼だな)
石川 それじゃあ一度、商品企画担当者の話を聞いてみてください。ちょうど新製品が登場したところですし、運用方法についても詳しく説明できます。私のほうから連絡しておきますよ。