自動化を進める一方、カスタマイズにも対応できる柔軟な生産体制
もうひとつ、同工場の取り組みで特筆できるのが自動化である
とくに、リレーの生産の自動化は、先進的なものといえるだろう。
FCMでは、1986年からリレーの組立生産を開始しており、現在ではその生産工程のほとんどを自動化することに成功している。
車載用のように量産化するリレーの場合、コイルの巻線工程から実際にリレーを作り上げる工程までを自動化する一方、カスタマイズによって生産対応するリレーの場合にはマニュアルで生産するラインも用意。これが柔軟な生産体制を維持することにつながっている。
いずれの生産ラインも随所に検査工程を設置しており、ここでも早い段階で不具合を発見する仕組みが用意されている。
ちなみに先に触れたQCサークル世界大会での金賞受賞は、リレーの巻線工程での品質改善が評価されたものだ。
リレーの自動化ラインは日本にある富士通コンポーネントの製造技術部門と連携して完成させたものであり、今後は自動化をさらに進展させながら、より柔軟性の高い生産ラインを構築することを目指すという。
富士通コンポーネント ヒューマンインターフェースデバイス統括部の山路秀幸統括部長は「自動生産ラインの設計、製造、構築をすべて富士通コンポーネント内で行なっている。高速実装や高い品質管理などの生産技術、溶接や成形、金型などの製造技術、電気回路やソフトウェア、解析シミュレーションなどの開発設計技術を社内に持つことで顧客ニーズにあわせた特徴のある製品を製造することができるのが富士通コンポーネントの強みになっている」とする。
こうしたノウハウが富士通コンポーネント社内に長年に渡って蓄積されているからこそ実現できるものだといえるだろう。
なかでも、FCMの取り組みを見る限り、海外生産法人においても、品質へのこだわりは、日本の生産拠点に匹敵するどころか、そのこだわりは日本の生産拠点以上のものである。海外生産とはいえ、日本のモノづくりが息づいていると感じた。
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