About This Article
スマートスピーカーに対応したロボット掃除機「ルンバ」は育児グッズとしておすすめ。赤ちゃんを抱っこして両手がふさがっているときでも、「ルンバで掃除して」と言うだけで運転してくれます。とくにありがたかったのはソファやベッドの下。赤ちゃんが抱っこひもに入った状態だと腰を曲げて低い場所を掃除するのが難しく、家具の下に落ちている髪の毛やほこりを見つけては泣きたくなっていたのですが、ルンバのおかげで罪悪感が消えました。(盛田 諒)
家電アスキーの盛田 諒(34)です、こんにちは。赤ちゃんが2月に生まれて2ヵ月の育休を取り、育児コラム「男子育休に入る」を連載してきました。育休中に役立った家電の代表格はロボット掃除機。うちではアイロボットの拭き掃除ロボット「ブラーバ」を便利に使っているのですが、あらかじめ掃除機をかける必要はあり、やっぱ本家のルンバちゃんがほしいなと思っています。
最新型のルンバはスマートスピーカーに対応。Google Home(Google Home Mini)、Amazon Echoなどから操作が可能です。前回までの連載記事(育児戦の記録)を読んでいただいたアイロボットジャパンの担当さんから「ぜひ使ってほしい!!」とご連絡をいただき、せっかくなので最高峰の900シリーズから「ルンバ980」を使ってみることにしました。
●「Alexaルンバで掃除して」で簡単操作
ルンバのスマートスピーカー連携機能は現在6種類。運転開始以外にも、終了・中断、ホームベースへの帰還などさまざまなことができます。今回はAI音声アシスタント「Alexa」で操作ができるアマゾンジャパンの「Amazon Echo」で試してみました。
★Amazon Echo連携機能
1. 清掃の開始
「ルンバを使って掃除して」
2. 清掃の終了
「ルンバを使って掃除を終了して」
3. 清掃の中断
「ルンバを使って掃除を中断して」
4. ホームベースへの帰還
「ルンバを使ってホームベースに戻して」
5. ルンバの状況の確認
「ルンバを使って何をしているか教えて」
6. 迷子のルンバを音で知らせる
「ルンバを使ってどこにいるか教えて」
状況の確認というと「?」と思う方もいるかもしれませんが、充電や掃除が終わったかどうかを聞けて便利です。たとえば家の1階でくつろいでいて2階にルンバがあるというとき、ルンバの充電が終わっていれば2階の掃除をしてもらえるわけです。
Alexaに指示を出すとき、公式には「Alexaルンバを使って掃除して」ですが、「ルンバで掃除して」でも反応しました。おなじように「ルンバが何をしているか教えて」で状況確認ができるので、わりと自然なコミュニケーションがとれます。
ちなみになぜかAlexaは、ルンバのことを「ロォーンバ」という謎のアクセントで発音します。「Alexaルンバで掃除して」というと「O.K. ロォーンバが掃除を開始しました」と自信たっぷりに言うので、正しくはそういう名称なのかという気持ちになりました。
●赤ちゃんを抱っこしたまま掃除スタート
さっそく赤ちゃんのいるわが家にルンバを持ち帰り、Amazon Echoとともにロォーンバを動かしてみましたが、想像以上に便利でした。ポイントは一切手を使わないですむことです。
共働き育児のコアタイムは朝晩ともに「6~9時」。3時間で集中的に家事をこなすので、メチャ忙しくなります。とくに赤ちゃんを抱っこしていると、しゃがんでボタンを押す行為1つもかなり厄介。ルンバ980はスマホからも操作ができますが、家事で手が汚れたり濡れていることが多いので、できれば手は使いたくありません。声だけで掃除を始めてくれるのはメチャ便利です。
赤ちゃんを抱っこひもに入れて洗濯物を干しながら「Alexaルンバで掃除して」と指示を出したとき、ウィーンと掃除機の音が聴こえてきたのは感動的でした。洗濯をしながら掃除をこなせるスーパーマンになったような気分です(※やっているのはルンバです)。
おもちゃを吸いこまないように片づけるのが面倒かと一瞬感じたのですが、付属の「デュアルバーチャルウォール」であっさり解決しました。最大3メートルの仮想壁をつくる「バーチャルウォールモード」、半径60cmの円形に進入禁止エリアをつくる「ヘイローモード」の2種類があるのですが、おもちゃを適当に端に寄せ、ヘイローモードをオンにしてつっこめばOKです。楽でした。
ちなみに以前は「ロボット掃除機が吸いこまないよう床に電源タップなどを片づける」というのを厄介に感じていましたが、すでに赤ちゃんのためにやっていたので手間が省けました。もしやロボット掃除機というのは赤ちゃんのいる家のために作られたものなのではないでしょうか。
●ルンバ980は頭がよしこちゃん
あらためてフラッグシップである980の性能にも驚かされました。本体天面のカメラセンサーを活かした「iAdapt 2.0 ビジュアル ローカリゼーション」、特殊なブラシを使った「AeroForce クリーニングシステム +カーペットブースト」の2つが強みなのですが、どちらも威力を感じます。
iAdapt 2.0 ビジュアル ローカリゼーションは、ルンバ本体のカメラとフロアトラッキングセンサーなどで室内をとらえ、全体をしっかり掃除するための仕組みです。
ロボット掃除機には部屋をランダムに走行して何度も同じ場所を掃除するモデルがありますが、ルンバ980はちがいます。部屋の形をとらえ、拭き掃除をするときのようにジグザグ走行して、短い走行時間で効率的に掃除をします。清掃する回数が減るぶんゴミの取り残しが増えないよう、ゴミの多い部分を判断すると、前後にブラッシングするような動きで集中的に掃除する「ダートディテクトモード」も搭載しています。
掃除時間が短いことに意味があるかというと大ありです。ルンバにはなるべく留守中に掃除をしてほしいと思うのですが、赤ちゃんと一緒におでかけする時間は基本的に短いです。帰宅時にロボット掃除機がウィンウィンしていたらおむつ替えもままなりません。近所のスーパーで買い出しをしているわずか30分間にリビング12畳と書斎6畳の掃除を終えるルンバ980はきわめて尊いです。
賢いなと感じたのは、掃除1周目に部屋全体をジグザグ掃除したあと、2周目、いわばラップツーで家具の脚まわりや壁ぎわを念入りに掃除すること(エッジクリーンモード)。わが家はテーブル、ソファ、イス、食器棚など脚のついた家具が多いので、ちゃんと掃除できるのか不安だったのですが、ラップツーで見事にキューッと際(きわ)を回ってくれたのでたいへん満足です。
なおアプリ「iRobot HOME」から掃除が終わった部屋のマップを見られるのですが、間取りはもちろんおむつかごやベビーチェアなどの障害物までかなり正確に再現されているので驚きました。そのまますぎて公開をためらうレベルです。1回に清掃できる面積は最大112畳だそうで、誰がそんな城に住んでいるんだと感じましたが、1回で家全体を掃除できるのはとても便利です。
AeroForce クリーニングシステム +カーペットブーストは、フローリング、畳、ラグが敷いてある床など、住環境を問わずに掃除ができる運転機能。モーターユニットには吸引力が従来比で最大10倍という「ハイパワーモーターユニットG3」を搭載しています。
カーペットやラグで自動で吸引力を引き上げる「カーペットブースト」機能を搭載、繊維の奥に入り込んだホコリや髪の毛も取り除ける仕組みです。わが家はフローリング・クッションフロア・畳なので関係ないかなと思ったのですが、意外にもカーペットブーストが活躍したのが赤ちゃん向けのジョイントマット。表面のデコボコに反応したのか「ギューン!」と力強く運転しました。マットはすき間にパンくずのように小さなごみがたまりやすいので、吸引力アップはありがたいです。
なおブラシでいちばん良さが実感できたのは、吸引口のローラー(ブラシ)に毛が絡みづらく、お手入れしやすいことでした。ふつうの掃除機でブラシに絡んだ髪の毛やら糸くずを指でちまちま取る手間が非常に面倒くさいので助かります。ロボット掃除機の中ではダストボックスが大きめで、ゴミ捨ての回数が少なくてすむのも便利でした。
いまロボット掃除機は各社各様の独自機能で勝負していますが、元来大事なのは部屋をくまなく掃除できる清掃能力と、こうした細かな使いやすさではないでしょうか。15年以上もロボット掃除機を売っているだけあるということなのか、奇をてらわず、当たり前のことが当たり前にできる性能に王者の風格を感じました。
2大機能の効力か、ルンバを使っていて運転内容を不満に感じたことはありませんでした。気づけば赤ちゃんがルンバに馬乗りになってSTARTボタンを連打していたためチャイルドロック機構をつけてほしいとは感じましたが、気になったのはそれくらいです。掃除をちゃんと終わらせる力、完遂力が非常に高いです。わたしに足りない「やりとげる力」を感じました。
●買うならケチらず良いやつを
もともと家事分担で掃除は自分の役割だったのですが、赤ちゃんが生まれてからは満足にできていないというプレッシャーを感じていました。妻が気をきかせて掃除機をかけてくれたときも「本当は自分の役割なのにサボッてしまった」と感じて「すいません」とうっかり謝ってしまい、「ハァ? 何がすいませんなの? コミュニケーションが雑すぎ!」と激おこさせてしまったこともありました。
しかしルンバ980がしっかり掃除してくれた間は、何の気兼ねもなく掃除をサボれました。むしろわが家の床が「自動的にきれいになるシステム」に変わったくらいの感覚です。妻も家事の手間と時間がひとつ消えたことで「いいんじゃない?」と機嫌をよくしていました。
赤ちゃんが生まれてからの家事は火種でしかありません。共働き育児で家事を100%やろうとするのは無理です。手を抜き、他人(機械)にまかせ、ラクをして、家族あるいは1人の時間をつくることが最大の優先事項。眠い目をこすって掃除機をかけるより、ふとんの中で「くっついちゃった!」と赤ちゃんに頬ずりをしている時間を延ばすほうが絶対に夫婦そして赤ちゃんのためになります。
ロボット掃除機は「共働き育児三種の神器」の1つといわれます。スマートスピーカーと連携したルンバちゃんはさながら三種の神器スーパーデラックスバージョンです。家事の時間をゼロにしてくれる自動化家電はさながら時間を買うようなもの。ケチって安物を買って「かえって手間が増えた」と嘆くのは悲しすぎるので、惜しまず投資をしたほうが賢明です。
■Amazon.co.jpで購入
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、家事が趣味。0歳児の父をやっています。Facebookでおたより募集中。
人気の記事:
「谷川俊太郎さん オタクな素顔」「爆売れ高級トースターで“アップルの呪縛”解けた」「常識破りの成功 映画館に革命を」「小さな胸、折れない心 feastハヤカワ五味」
(提供:アイロボットジャパン)