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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第186回

峠を越えつつある山火事と、空気の問題

2017年10月17日 17時15分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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マップとの組み合わせで情報を提供するサイトも多数

 こうした数字と予想とともに、マップも活用できます。

 イスラエルの企業BreezoMeterは、世界中の空気の質のデータをAPIで提供しており、ウェブサイトではマップを見ることができます(https://breezometer.com/air-quality-map/)。

BrezoMeterによる空気の質のマッピング。キャプチャを撮った10/16午前中、バークレーはオレンジのエリアにさしかかっています

 10月16日月曜日の段階のマップを見ると、山火事エリアであるナパバレー、ソノマバレー、サンタローサを中心に、BreezoMeter独自の空気の質を示すスコアは「ゼロ」。米国EPAの基準では最悪の500を示しています。ちょうど風が弱まっていることから、山火事の制圧には好都合ですが、空気はそこに固まって動かなくなっている状況がわかります。

 そこで、風の状況をアニメーションで表示してくれるWindy.comを見てみると、確かに、10月16日の午前中は、ほとんど風がない状態で、溜まった煙がそこに留まっていることがわかります(https://www.windy.com/?38.043,-122.480,10)。風向きの予測で、煙がいつ流れてくるかを把握することもできます。

風の現状と予測をマッピングできるWindy.comとBrezoMeterのマップを組み合わせると、自分のエリアにどのようなタイミングで煙が流れ込みそうかがわかります

 当面強い風は吹かないようですが、どちらかというと西風が吹き、火災地域の東側のエリアに注意が必要です。ただ、サンフランシスコ方面に流れ込むのと違い、丘を越えて流れていくことから、地表面の空気の質が急激に悪くなることは避けられるかもしれません。 また、風が弱い今週、山火事の制圧が進んでいくことに期待しています。少しでも雨が降れば良いのですが。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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