チラシを簡単データ化 HTML5の電子カタログ化SaaS「ebook5」
No Maps:ASCII STARTUPブースレポート
北海道発のHTML5の電子カタログebook5プラットホームが徐々に広まりを見せている。
「先端テクノロジーや新しいアイディアを軸としたビジネスコンテンツ」が凝縮されたNo Maps。札幌駅近くのACU-Yにて開催された「No Maps Trade Show 2017」のレポートとして、北海道発の注目スタートアップをピックアップする。
大手百貨店や出版社が利用する電子化SaaSサービス
株式会社ルーラーが提供する「ebook5」は、誰でも簡単にPDFからマルチデバイス対応の電子カタログが作成できるウェブサービスだ。ウェブやアプリの形式で企業や個人が持っている紙のPDFをデジタル化して配信したい企業に選ばれている。
「ebook5」は印刷物をアップロードできる点で既存の電子書籍と同様に見えるが、PDFファイルではなくHTML形式という点が最大の違いとなる。ウェブ上での表示速度が素早く、スマホやタブレットで軽快に表示され、アクセス解析やヒートマップ解析でカタログ分析が実現できる。
サービスは1アカウントあたり月額500円からで、ライセンス買い切りの場合は1冊5000円からとなるSaaSサービス。サービス開始以来1万3000アカウント開設を達成し、今なお成長中だ。
ルーラーの沼博人代表取締役によれば、とくに主要百貨店などはチラシの分析などでほとんどの会社が使っている状況だという。作るのが簡単という点で、自治体や大学、レストランメニューまで広がっている。
HTML5ベースのためアプリ連携も容易なので、既存のサービスとのつなぎ込みなど、マーケティング活用に有効となる。そのため、プロのマーケティング企業や制作会社を入れるほどではない、担当者の手元でビジネスを行ないたい企業での利用が多いという。
さらに、ある出版社とはタッグを組む形で、PDF配信では難しかった既存のコンテンツをベースにした法人向けの切り売りでの新たな取り組みも進めているという。情報の埋め込みでより利便性は高められると沼代表は語る。
メディアを持っている企業が対象となるため、東南アジアなど海外での利用も多いという。
もともとルーラーは北海道で展開していたウェブデザイン、マーケティングの受託の会社だった。だが、受託とは別の形での新規事業ということで沼代表を中心に展開。現在では、同社の売り上げ比率の半分を占めるまでになっている。
現状では広告クリエイティブを中心とした利用が多いが、この先は広い意味で製造メーカーなども含めてライトに使ってもらいたいと沼代表は展望を語った。