四海樓の陳さん「工場の音と香りがお店と同じ」
四海樓の陳さんはキンレイの新工場を見学し、鉄鍋で調理しているのを見て非常に感心したということ。
「音と香りが、うちの店の調理場と同じなんですよ。調理場に入ったときの独特の音、香りというものがあるんですけど、工場でも同じなんですね。鉄鍋の鍋肌を見せてもらうと、すごくいい色になっていました。僕たちは鉄鍋をなじませるために、油を入れたり、赤くなるまで熱したり、時間がかかるんですど、キンレイの鉄鍋もすごくいい色になっている」
できあがった長崎ちゃんぽんについて、陳さんはキンレイの冷凍技術を高く評価し、「キンレイさんは長崎ちゃんぽんというものを理解している」と語りました。
「ひと口目のスープはパンチがないと思います。最近は、ひと口目にパンチがあるというものが多いですが、私どものメニューや昔ながらの商品は、食べ進めていって、食べ終わったあとに『よかったな、おいしかったな』と感じる。そのようなことをお話したところ、そう仕上げて下さっています」
陳さんの先代にあたる四海樓の会長も試食して製品化を承諾したとのこと。陳さんによると会長は冷凍食品に対してもともとよいイメージを持っておらず、そのため不満がひと言もでなかったことに対して陳さんはかえってびっくりしてしまったそうです。
「お水がいらないシリーズ」を強化
キンレイと四海樓のコラボレーションは2度目。2002年にも四海樓がアルミ鍋の長崎ちゃんぽんを監修しています。
キンレイでは、専門店さながらの味を自宅で楽しんでもらうという思いをモットーに、冷凍鍋焼きうどんやラーメンなどを展開。近年ではスーパーで展開している「お水がいらない」シリーズがヒット。「お水がいらない 鍋焼うどん」「お水がいらない ラーメン横綱」を筆頭に販売成績が好調で、2016年にはシリーズ年間販売数1400万食を突破しました。
しかし、その中で既存の冷凍ちゃんぽんは伸び悩んでいて、他社の製品に人気をとられている状況でした。そこで、冷凍ちゃんぽんを専門店の味に近づけ本格的な味という付加価値でお客さんに満足してもらうため、四海樓へ2度目のオファーに至ったということ。
長崎ちゃんぽんと同じタイミングで「お水がいらない ほっこりかぼちゃのほうとう」も発売。こちらも、他社製品にも冷凍ほうとうがある中で、煮込み感や具材の多さなどを強みにした、お水がいらないシリーズならではの特長をアピールします。
世界にひとつだけの「鉄鍋」設備を見せてもらった
製品発表会では、キンレイの新工場の中を見学させてもらえました。
鉄鍋は620Lで、野菜は50kgぐらいずつ入れて炒めます。四海樓の陳さんが言っていたように、鉄鍋が黒光りしていました。私は自宅で鉄のフライパンを使用していますが、鉄のフライパンでも扱いが大変なので、このような色艶になるには大変手間がかかっているものと感じました。
実際に長崎ちゃんぽん用の具材を炒めているところを見せてもらうと、最初にキャベツを入れ、徐々に具材を入れていく過程の中で、撹拌スピードを上げていることに驚きました。もやしなどが入ると水分が出てしまうため、具材の特製を見極めて炒めているのです。
キンレイ生産本部商品開発部長 齊藤克敬氏によると「工場竣工は5月ですが、鉄鍋が設置されたのは4月ごろからです。野菜を炒めてみたのですが、焦げすぎたりして、すぐには使いこなせなかった。長崎ちゃんぽん自体は生産するのが決まっていたので、やばいな、どうしようかなとドキドキしました」とのこと。
テスト生産する数日前にようやく火加減、撹拌の速度のノウハウを掴み、製造に至りました。攪拌スピードを調整するのは大変だったのですね!
生産数アップでより多くの人に満足してもらう
キンレイの岸和田工場は大阪府高石市の泉北工場の生産ラインを移植し、かつ新しい生産ラインを加えています。生産数は2ライン合わせて最大で1時間約1万5000食の生産が可能。これは、旧泉北工場の3倍の生産能力です。
キンレイの和田博行代表取締役社長は「ここ数年、工場の生産量に上限がきていました。引き合いがあっても残念ですが今は出荷ができません、ということがあり、お客さまに迷惑をかけていました。既存の筑波工場と合わせて生産能力が従来の1.5倍になったので、もっとお客さんの満足いく商品開発をしていけます」と語りました。
工場をパワーアップさせ、チャレンジングな製品展開をするキンレイに期待です。
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ナベコ
寅年生まれ、肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になったので写経を体験したい。Facebookやってます!
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