京都発”Shisaku”ファンドの狙い モノづくりを変えるMakers Boot Campの挑戦
日本の「Shisaku」を世界の共通語に
MBCは、ここまで紹介したファンドや量産支援も含めて、日本と世界のハードウェアコミュニティーをつなぐ活動を行なっている。現在はスタートアップと京都試作ネットとのつなぎ込みの段階だが、ここで「試作」実績を積むことは、グローバル視点からの場合、モノを介してできることが一気に増える可能性がある。スタートアップ育成の1モデルとしても、今後が興味深い。
またモノづくりのプレーヤーを巻き込む仕組み作りでは、間口を広げて参加者を増やしつつ、VC・製造業団体・スタートアップ・起業家の卵をグローバルレベルでつなぐ試みが面白い。ヘルスケアなどの安全や安心が要求される部分で日本のモノづくりが生きる仕組みがあるという部分は、大変同意できる。
京都発で東京を飛び越え、日本製という武器を持ってシリコンバレーに乗り込めるのか。日本の地方発のロールモデルとしての結実はこれからだ。
2017年3月に立ち上げた「MBC Shisaku ファンド」だが、年間10社から15社に出資し、半分を国内、半分を海外企業とする計画だ。しかも、牧野氏の野望はこれだけにとどまらない。
「トヨタの『Kaizen』が世界で製造業の共通語になったように、Shisakuが世界の共通語となるまでに定着させたい。そのためには京都以外の製造業者との提携も進めていきたい」(牧野氏)とビジネス拡大に強い意欲を見せている。
●株式会社Darma Tech Labs
2015年8月3日設立。京都でスタートアップのモノづくりをサポートするハードウェアアクセラレーターMakers Boot Camp(MBC)を運営・展開。
スタッフ数は2017年8月時点で17名。現在、投資アシスタントとオフィスサポートを募集中。