持ち物としてのiPodは残るか?
iPodもデジタル機器であり、iPhoneの中の1つの「アプリ」として統合されてしまいました。ただ、そうしたデジタル機器に囲まれた生活の中でも、紙のノートへのメモやスケッチが根強いのは、そこに異なる体験があったからでしょう。
音楽を聴くフィジカルな体験というと、アナログプレイヤーがあります。米国でも伸びていますが、これを気軽に持ち出すわけにはいきません。iPodでいう体験は、音楽を聴く前の準備の部分、つまりプレイリストを作ったり、それを同期しておいたりという部分でした。
ストリーミング型で失われた、音楽を聴く(準備)の体験は、意味がなかったものなのか、あるいは音楽と向き合う1つの方法を提供してくれていたのか。個人的には後者だったのではないか、という印象があります。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
この連載の記事
-
第264回
スマホ
ライドシェアにシェアバイク、これからの都市交通に必要な真の乗り換え案内アプリとは? -
第263回
スマホ
Amazonが買収したスーパーマーケットで生じた変化 -
第262回
スマホ
日産「はたらくクルマ」でみたテクノロジーでの働き方改革 -
第261回
スマホ
WWDC19で感じたのは、体験をもとにアップルがサービスの整理整頓を進めているということ -
第260回
スマホ
LoTで、いかにして世界から探し物をゼロにできるか?:Tile CEOインタビュー -
第259回
スマホ
ファーウェイ問題で感じたテクノロジーと国家対立の憂鬱 -
第258回
スマホ
スマホでの注文が米国でのスタバの役割を変えた -
第257回
スマホ
10連休に試したい、ゆるやかなデジタルデトックス -
第256回
スマホ
人によって反応が異なるドコモの新料金プラン -
第255回
スマホ
「平成」と「令和」 新元号発表の瞬間の違い -
第254回
スマホ
Adobe Summitで語られたAdobe自身のビジネスや開発体制の変化 - この連載の一覧へ