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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第175回

持ち物としてのiPodの終焉と、音楽を聴く体験について

2017年08月02日 16時30分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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持ち物としてのiPodは残るか?

 iPodもデジタル機器であり、iPhoneの中の1つの「アプリ」として統合されてしまいました。ただ、そうしたデジタル機器に囲まれた生活の中でも、紙のノートへのメモやスケッチが根強いのは、そこに異なる体験があったからでしょう。

 音楽を聴くフィジカルな体験というと、アナログプレイヤーがあります。米国でも伸びていますが、これを気軽に持ち出すわけにはいきません。iPodでいう体験は、音楽を聴く前の準備の部分、つまりプレイリストを作ったり、それを同期しておいたりという部分でした。

 ストリーミング型で失われた、音楽を聴く(準備)の体験は、意味がなかったものなのか、あるいは音楽と向き合う1つの方法を提供してくれていたのか。個人的には後者だったのではないか、という印象があります。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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