パソコンは価格に比例して性能がよくなるのは当然だが、最近はローコストマシンでも普段使い程度あればしっかりと動作してくれるマシンも多い。税込み2万9999円の14型ノートパソコン「Altair VH-AD3L」もその1つ。
Altair VH-AD3Lは、ウェブブラウジングやメールの送受信などはまったく支障がなかったが(前回、前々回)、CPU内蔵のGPUを搭載しているので、3Dゲームを快適にプレーするのは厳しいだろう。今回はベンチマークテストなどを実施し、Altair VH-AD3Lの性能について検証してみた。
Altair VH-AD3Lに搭載されているCeleron N3450モバイル・プロセッサーは、Apollo Lake世代と呼ばれる、プロセスルール14nmのCPU。これまで主流だったBraswell世代の次の世代のCPUとして、これからのローコストマシンの主流となるCPUだ。GPUはインテル HD グラフィックス 500を採用している。CPU-Zを用いた結果は下記の通り。
メモリーは4GB、ストレージは64GB eMMCを搭載している。CrystalDiskMarkを使ってストレージの速度を計測してみた結果は下記の通りだ。
SSDよりは遅いものの、eMMCもフラッシュメモリーを使っているだけあって、スコアとしては申し分ない数字となっている。このスコアであれば、大きなファイルの読み書きであっても大きくストレスを感じることはないだろう。
3Dグラフィックスのレンダリングなどのベンチマークテスト「CINEBENCH」では、CPU性能などを計測できる。ベンチマークのスコアは下記のような結果となった。
グラフィックスAPIのOpenGLは16.07ポイント、CPUの性能テストでは123ポイントという結果となった。以前実施した前世代のインテル HD グラフィックスでは12fps前後だったので、ApolloLake世代は30%ほど高いスコアになっているといえる。
総合系ベンチマークソフト「PCMark 8」は、通常作業などのパフォーマンスをチェックするためのソフト。今回は「Home accelerated」、「Creative Accelerated」の2種類でチェックした。
スコアは「Home」が1817、「Creative」が2051となった。イメージとしてはCore iシリーズを搭載しているノートパソコンの半分程度のスペックと考えていいだろう。価格を考えると、十分なスコアといえる。
最後にオンラインゲームをプレーしたときにどのような結果となるのかについても調べてみた。3Dグラフィックスを多用したゲームは厳しいと思われるので、比較的負荷の低い「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.4k」を実施した。
ディスプレーの解像度が1366×768なので、1280×720で実施。標準品質ではやや重いという判定だったが、低品質では普通という評価になった。低価格パソコンといっても負荷の低いゲームであれば遊べなくもないということだ。
Altair VH-AD3Lは、スペックをおさえた低価格機とはいえ、極端にパフォーマンスが低いパソコンというわけではなく、ネットブラウジングやメールの送受信といった一般的な用途であればストレスを感じることのないノートパソコンだ。メインマシンとして活用した場合には少し非力な印象を受けると思うが、セカンドマシンとして使う、外出先でちょっと使うといった具合で、その使い方をきちんと考えれば、十分活用できるノートパソコンだと感じた。
試用機の主なスペック | |
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機種名 | Altair VH-AD3L |
CPU | Celeron N3450(クアッドコア、定格1.10GHz、最大2.20GHz、2MB L2キャッシュ) |
GPU | インテル HDグラフィックス 500(CPU内蔵) |
メモリー | 4GB DDR3L |
ストレージ | 64GB eMMC |
ディスプレー | 14型(1366×768ドット) |
内蔵ドライブ | ー |
サウンド | オンボード HD サウンド |
無線LAN | IEEE802.11a//b/g/n/ac |
インターフェース | USB 3.0端子×2、HDMI端子、SDカードリーダー、マイク入力・ヘッドフォン出力端子 |
内部I/O | SATA 6Gb/s 1 |
バッテリー | 約7.9時間駆動 |
サイズ | およそ幅340.6mm×奥行237mm×高さ25.5mm |
重量 | 約1.6kg(バッテリー含む) |
OS | Windows 10 Home |