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「SAPPHIRE NOW 2017」で新ブランド“SAP Leonardo”発表、新しいSAPへの進化

「『SAPはERPベンダー』という認識を変えたい」SAP幹部が語る

2017年06月08日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 「『SAPはERPベンダー』という認識を変えたい」と語るのは、SAPでプラットフォーム開発の取り組みを率いるビョルン・ゲルケ(Björn Goerke)氏だ。毎年秋に開催される同社イベント「Tech Ed」では、自らギターを抱えてクイーンの「We Will Rock You」を歌いHANA開発者を盛り上げるなど、“新しいSAP”を語るときには欠かせない人物である。

SAP プロダクト&イノベーションテクノロジー担当EVP 兼 コーポレート責任者のビョルン・ゲルケ(Björn Goerke)氏(SAPPHIRE NOW 2017会場にて)

 ゲルケ氏がプッシュするPaaS「SAP Cloud Platform」は、SAPがローンチした新しいブランドで重要な位置を持つようになった――新しいブランドとは、5月初めに発表された「SAP Leonardo」のことだ。

 今回は、米フロリダ州オーランドで開催されたSAPのプライベートイベント「SAPPHIRE NOW 2017」で、ゲルケ氏にSAP Leonardoブランドの狙い、そしてSAP Cloud Platformの現況について聞いた。

新ブランド「SAP Leonardo」は革新的な取り組みを総称するもの

――今回、新ブランド「SAP Leonardo」が発表されました。既存のツールや技術を集めたものと言えますが、どうして“Leonardo”としてブランド化する必要があったのでしょうか?

ゲルケ氏:SAPは「45年前にスタートしたドイツのERPカンパニー」だと思われています。たしかにわれわれはERP製品からスタートしましたが、近年ではビジネス調達ネットワークのAriba、人事のSuccessFactors、ECやマーケティングなどフロントエンドのHybrisといった企業を買収しています。さらに、他方では機械学習やIoTといった、かなり革新的な取り組みも進めています。

 ところが“新しいSAP”――つまり“ERP以外のSAP”については認知度が低く、これを高める必要がありました。そこで「Leonardo」というブランドで、SAPの取り組みのうち革新的な部分をまとめることにしました。具体的には、AI(人工知能)、機械学習、ブロックチェーン、アナリティクス、ビックデータ、IoTといったものです。「HANA」をインメモリのブランドとして売り出し、定着させたのと同じように、LeonardoもSAPの新ブランドとして位置づけていきます。

今回のSAPPHIRE NOWで発表された「SAP Leonardo」

 われわれはこれまで“Run”として顧客がビジネスを運用するのを支援してきました。ここは、われわれが従来から強みとするコアのITプロセスです。一方で、Leonardoは“Win”を実現するものです。どの分野でもデジタルによる変化(デジタルトランスフォーメーション)が起きており、これに勝ち抜くためのツールや技術です。SAPは今後、“Run”と“Win”の両方で顧客を支援していきます。

――どのITベンダーも「デジタルトランスフォーメーション」を口にするようになりました。早期からそれを提唱してきたSAPは、どのようにデジタルトランスフォーメーションの実現を支援できるのでしょうか?

ゲルケ氏:デジタルトランスフォーメーションのためのプロジェクトは、現場から離れたところで仕込んでもうまくいきません。センサーからのデータを集めてデータレークに保存してアナリティクスを用いる――データアナリストならば面白いかもしれませんが、ビジネスと直結させなければトランスフォーメーションとは言えないでしょう。

 結局のところ、デジタルトランスフォーメーションとは「顧客体験の改善、新しい顧客体験の創出」と「イノベーションの文化を社内に持つこと」の2つを実現することだと思っています。現在、市場を破壊(disrupt)しているのは、デジタルでスタートしたデジタルネイティブな企業たちです。「Fortune 500」に載る企業の顔ぶれも、これまでになく入れ替わりが激しくなっています。

 それでは、われわれの顧客はどうやっているのか? どのような状況にあるのでしょうか?

 われわれの顧客の多くはデジタルネイティブではありません。ただし、既存の顧客がおりブランドがあること、ビジネスモデルが確立されていることは、強みになりうるのです。そしてわれわれは、こうしたSAPの顧客がデジタルトランスフォーメーションで戦い、勝つことを支援します。より良い顧客体験を提供し、アジャイルなイノベーションモードを作ることをサポートできるわけです。ガートナーも提唱していますが、従来ビジネスの延長線上にある「予測性のあるモード」と、新しいマインドセットでイノベーションを進める「アジャイルなモード」の2つをしっかり回していく、これがポイントです。

 先のセンサーデータの例に戻ると、得られたデータをコアと結びつけることで、どの製品か、サービス担当は誰か、故障が予想できるのであればどのサプライヤーから部品をいつ、いくらで調達できるのかといったことがわかるようになります。あるいは、ソーシャルデータから自社の製品に不満を抱えている人が何にどう不満なのかを知ったり、どう対応すべきかなどを分析できます。

 SAPは幅広い製品ポートフォリオを持っています。S/4 HANA、Finance、LogisticsなどのERPがあり、25種類の産業別ソリューションを142カ国で展開しています。LeonardoにはSAP Cloud Platformが含まれ、コア、そしてアジャイルなイノベーションのための機能を結びつけることができます。

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