Azureから様々なコンテナーを運用監視、Linuxアプリ開発PaaSも紹介
「Open Source Summit」でMSが語った2つのオープン技術
2017年06月01日 12時00分更新
The Linux Foundationは5月31日~6月2日、都内で「Open Source Summit Japan 2017」を開催している。これまで「LinuxCon」、「CloudOpen」、「ContainerCon」として開催されていた3つのイベントを2017年からOpen Source Summitとして統合。Linux、コンテナー、クラウドのオープン技術に関する多くのセッションが予定されている。
ゴールドスポンサーとして同イベントに参加した日本マイクロソフトは5月31日、「Azure App Service on Linux」と「Operations Management Suite」を2つのセッションで紹介した。
アプリ開発PaaSでネイティブLinuxをサポート
Azure App Serviceは、WebアプリケーションやWeb API、モバイルバックエンドをAzureにホストするPaaS。2016年10月に、ネイティブLinuxをサポートするAzure App Service on Linuxのプレビュー版がリリースされた。
米マイクロソフト プリンシパル ソフトウェアエンジニアのNazim Lala氏は、Azure App Serviceについて、「アプリケーションのソースコード管理、ABテスト、(Azure Traffic Managerと組み合わせた)パフォーマンス管理などの機能をフルマネージドのPaaSとして提供し、開発者がインフラを気にせずにアプリ開発に集中できる環境を用意する」と紹介した。
Azure App Service自体は4年前から提供している古いサービスで、Lala氏によれば、現在グローバルで40万のユーザーがいるそうだ。従来は、.NET、Node.js、PHP、Java、Pythonのスタックをサポートし、内部ではWindows Server、IISでWebアプリが動作する仕組みだった。
2016年10月に「顧客からの強い要望があって」(Lala氏)、LinuxアプリケーションスタックをサポートするAzure App Service on Linuxをプレビューリリース。リリース当初はNode.js、PHPのみのサポートだったが、翌11月にASP.NET Coreをサポートし、加えて、独自のDockerコンテナイメージを持ち込むことができるように機能拡張された。
米マイクロソフト シニアソフトウェアエンジニアのMichimune Kohno氏によれば、「将来的には、従来のAzure App ServiceとAzure App Service on Linuxを.NET Coreで統合する方向で開発が進められている」という。
マルチクラウド環境でコンテナーを運用監視
Operations Management Suite(OMS)は、オンプレミスとクラウドのインフラを一元的に運用監視するAzure上のサービスだ。Azure、AWSなどの他社パブリッククラウド、オンプレミスのVMwareやOpenStack環境などにわたり、OS(Windows/Linux)やアプリケーションのパフォーマンス監視やログ収集、セキュリティイベントのアラート、クラウドへのデータバックアップ、障害復旧の自動化など幅広く機能を提供する。
マイクロソフトが今回のOpen Source Summit Japanでアピールしていたのは、OMSで、さまざまなプラットフォーム上にあるさまざまなタイプのコンテナーを一元的に運用監視できる点だ。「DC/OS、Docker Swarm、Kubernatesなどオーケストレーターによらず、またインフラの場所によらず、コンテナーのインベントリ、パフォーマンス、ログを収集できる」(米マイクロソフト プログラムマネージャーのKeiko Harada氏)。
OMSでは、オープンソースのFluentdコレクターで構築されたエージェントによって、さまざまなインフラ上にあるOSからデータをOMSへ直接送信できるようにしている。コンテナーも同様で、コンテナーホストにFluentdベースのコレクターをインストールして、コンテナーノードからログや指標を収集している。すでにZabbixなどのコンテナー管理ツールを導入している場合でも、Fluentdコレクターで連携してOMS側にデータを統合可能だという。