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遠隔でも現場状況の把握ができるソリューション、人手不足に悩む建設業をどう救うか

ICT建機×クラウドが解決すべき現場課題、日本キャタピラーに聞く

2017年05月24日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 建築現場や土木工事の現場でよく目にする、黄色いボディに“CAT”のロゴマーク。米国キャタピラーの建設機械(建機)群だ。その国内販売会社(ディーラー)として、国内3つの会社が統合して今年4月に発足したのが日本キャタピラーである。国内におけるキャタピラー製の建機や重機の販売と、メンテナンスやサポートなどのサービスを手がける。

 その日本キャタピラーでは近年、ICT建機から収集する情報(データ)とクラウドサービスを活用した、建設業向けのソリューションを展開している。すでに「建設現場の人手不足」は大きな社会問題にもなっているが、キャタピラーのソリューションはどんな課題を解決するのか。同社 情報化推進施工グループ 担当部長の石渡博丈氏に聞いた。

日本キャタピラー 広域営業事業部 情報化施工推進グループ 担当部長の石渡博丈氏

建設機械の詳細な稼働状況をリアルタイムにクラウドで収集/分析

 キャタピラーでは、建設現場における「機械管理」「施工管理」「生産管理」「安全管理」という4領域の業務改善を実現する「Cat Connectソリューション」を提供している。「施工管理だけでなく、機械の状態管理や現場の生産性、安全性などの管理も合わせて、ひとつのパッケージとして提供している点が他社との大きな違いだ」(石渡氏)。

Cat Connectソリューションは「機械管理」「施工管理」「生産管理」「安全管理」の4領域における業務改善機能を提供できる

 具体的な業務メリットは後述することにして、まずはこのCat Connectを実現する仕組み、構成要素について見ておこう。

 キャタピラー製の建機は出荷時から随所にセンサーを搭載しており、この膨大なセンサー情報を建機が搭載しているECU(電子制御ユニット)が収集する。かつてはこのデータをケーブル接続で吸い出し活用していたが、この5、6年でテレマティクス化が実現し、LTE回線や衛星回線を介してデータを建設現場から遠隔地に飛ばせるようになった。このテレマティクスソリューションを「Cat Product Link」と呼ぶ。

 上述した内蔵センサー情報に加え、アップグレードキットを追加することで、GNSS(全地球衛星測位システム)を使った高精度3次元位置情報も取得できるようになる。これは、大手測位/測量機器メーカーである米トリンブル(Trimble)との協業により実現している。

 現場の建機から収集したセンサー情報や位置情報は、「Cat VisionLink」と呼ばれるクラウドサービスが収集/一元管理/分析し、ワンストップのモニタリング画面で可視化される。このVisionLinkを利用して、現場だけでなく本社オフィスなどの遠隔拠点からでも、機械の稼働状態をリアルタイムにモニタリングできる。

キャタピラー「Product Link」の概要

 加えて、VisionLinkに集約された情報は、日本キャタピラー側でもサービスに活用している。

 日本キャタピラーでは、2015年11月に「コンディションモニタリングセンター(CMセンター)」を開設した。これは、上述のProduct Linkで収集した情報に加え、機械から収集したオイル検体の分析(SOSサービス)から得られた情報、同社セールススタッフが現地での点検/メンテナンス作業を通じて得た情報なども集約して、建機を利用する顧客に対するレポーティングや業務改善支援を行う施設だ。

日本キャタピラーの「コンディションモニタリングセンター」では、遠隔から顧客建機の状態を監視し、サポートを行う

 石渡氏は、CMセンターに収集、可視化される大量の情報を「プロの目」でチェックし、顧客が特に見るべき情報をセレクトしてレポートするのが役割だと述べ、Cat Connectソリューション全体で、顧客の業務改善につながる具体的なアドバイスができることを説明した。

 「Product Linkは、単に『部品が故障した』という情報だけでなく、ふだんの稼働状態に関する細かな情報(イベントログ)もリアルタイムに収集できる点がポイント。たとえば、走行スピードを出しすぎてエンジンやブレーキに過度な負担がかかっており、部品の寿命を縮めていることがわかったという事例もある。このときは現場で運転指導をさせてもらい、機械トラブルを減らすことができた。セールススタッフの定期訪問だけではこうした稼働状態はわからないが、Product Linkならばそれが可視化される」(石渡氏)

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