このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

相次ぐAzure障害、サービス可用性を高めるHAとDRを解説

障害、サービス停止を回避するAzureのDR構成を知ろう

2017年04月03日 08時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Microsoft Azureの国内リージョンでストレージサービスに起因する障害が相次いでいる。日本時間3月31日22時50分から翌4月1日6時にかけて、顧客の一部がAzure東日本リージョンのリソースに接続できない状態が続いた。

 米マイクロソフトの公式サイト「Azureの状態の履歴」によれば、今回の障害の根本原因は「冷却系」とのこと。東日本リージョン内で一部の拡張ユニットが冷却できない状態になったため、データ保護のために特定のストレージユニットとコンピューティングユニットが自動シャットダウンされた。これにより、Azureストレージサービスと、ストレージを利用するAzure App Service (Web Appsなど)やVirtual Machines(VM)など、多くのサービスが影響を受けた。

4月1日2時20分頃の「Azureの状態」。東日本リージョンのStorageとVirtual Machinesに警告が出ている

 Azure東日本リージョンでは、3月8日にもストレージサービスとそれを利用するサービスの一部に約2時間接続できなくなる障害が起こっている。この際はストレージのデータ配置を管理するバックエンドコンポーネントのバグが原因だった。また、3月28日にはAzure西日本リージョンで、VMやAzure App Serviceなどに約3時間アクセスできなくなる障害が起こった。ここでは、西日本リージョンへ新しく追加したストレージスケールユニットに間違ったIPアドレスが割り当てられたためリージョン内のデータセンター間で接続がブロックされ、この接続に関係するVMなどのサービスが影響を受けた。

 Azureの国内リージョンでの障害が年度末の3月に続いた。これは筆者の憶測になるが、日本固有の状況として、新年度からの予算で新たにAzureのサービスを契約する企業が増えた可能性がある。4月からのユーザー数や利用規模の急増に対応するために、3月中に国内リージョンでストレージユニットなどの増強を急いだ結果、設定ミスに起因する障害や、拡張したユニットの冷却が追い付かなくなるなどの障害が続いたのではないだろうか。マイクロソフトには、4月以降のサービスの安定稼働と、日本市場の会計年度を加味した計画的なサービス増強が求められる。

 そしてユーザー側は、今回の障害を教訓に、クラウドサービスを使う際は障害が起こることを想定して自社システムの可用性を維持するための対策を講じておくことが重要だ。2月末に発生したAWS S3の障害を例示する間でもなく、障害はすべてのクラウドサービスで発生する可能性がある。

 3月の一連のAzureストレージ障害でも、2月のAWSストレージ障害でも、ユーザーにとって失われたのは「サービスの可用性」であり、「ユーザーのデータ」が失われたわけではない。データはクラウドベンダー側が複数のコピーを持って冗長化している、という信頼の上で、ユーザーにできることは障害発生時に可能な限り自社システムを停止させない(HA)設計にすることだ。

 また、Azureの一連の障害は東日本リージョンと西日本リージョンでそれぞれ別のタイミングで発生している。計画メンテナンスやソフトウェアの更新は、ペアになるリージョン(Azureのリージョンは必ずペアになっている)で同じタイミングに実施しない運用になっており、今回のようなソフトウェアのバグや設定ミスによる障害は東西リージョンで同時には起こりづらい。サービス停止回避のために、東西リージョンでディザスタリカバリー(DR)構成をとっておくことが有効な事案だった。

 Azureの主要サービスのHA(※ここでは、特定のリージョン内でサービスの可用性を高めること)構成と、DR(※ここでは、東西リージョンでフェールオーバー可能にすること)構成について、日本マイクロソフト デベロッパー エバンジェリズム統括本部 エバンジェリストの佐藤直生氏(NEO)に話を聞いた。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    トピックス

    “持たない家電”ランキング、もはや定番のアレがやっぱり1位なような

  2. 2位

    トピックス

    思い切った慶應義塾 全教職員にNotion導入で168年分の知的資産をAIに食わせるプロジェクトが始動

  3. 3位

    ビジネス・開発

    こんどは“市区町村の財政状況”が丸わかり デジタル庁「ジャパン・ダッシュボード」に地方財政データ追加

  4. 4位

    トピックス

    リモートワークは福利厚生なの? ITエンジニアが本当に欲しい福利厚生第1位となる

  5. 5位

    ITトピック

    管理職ほど機密情報をAIに入力している実態、なぜ?/27卒学生の就職人気、IT業界トップ企業は/最新インシデントの傾向10パターンまとめ、ほか

  6. 6位

    トピックス

    ほぼスーパーで良くない? コンビニで「思ったより高い」と感じる人76%、実は中高年ほど割高感に悩んでるって知ってた?

  7. 7位

    トピックス

    若い人ほど「しっかり睡眠」、中高年は眠れないのか眠らないのか

  8. 8位

    トピックス

    インバウンドの頑張りランキングベスト3は「大分県」「岐阜県」「佐賀県」 努力が光る結果に

  9. 9位

    トピックス

    【無双状態】2025年、最も雑誌の表紙を飾ったのは「えなこ」! 1万誌を調査して見えた圧倒的カバークイーン

  10. 10位

    ビジネス

    管理職こそ大事にしないとまずくないか? 約4割が「続けたい、と答えない」現実

集計期間:
2026年04月21日~2026年04月27日
  • 角川アスキー総合研究所